- 2018.02.09
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前回【Vol.1】では、子どもは大人より誤嚥しやすいことや、誤嚥しやすい食べ物やその与え方を紹介しました。今回は、万が一窒息を引き起こしてしまったときに備えて、その対処法をご紹介します。
誤嚥をするとどんな症状が出る?
誤嚥をした時、最も緊急性が高い症状は呼吸困難です。気道が完全にふさがれると呼吸ができなくなるため、顔が蒼白になったり、意識を喪失してしまうこともあります。また、異物を指で掻き出そうとしたり、喉をかきむしるようなしぐさが見られることもあります。
誤嚥してすぐに呼吸困難が出ていない場合でも、せき込みがあったり、呼吸がヒューヒュー・ゼイゼイしていたり、泣き声が弱くなったりといった症状が見られる場合には注意が必要です。
症状がいったん収まったように見えても、気道内に異物が残っていると、数日たってから発熱や呼吸困難などの症状が出ることがあります。しばらくは注意して様子を見守るようにしましょう。
誤嚥による窒息!まず行うべき応急処理は?
窒息を起こした場合、一刻を争うケースがほとんどであり、迅速な応急処置が必要になります。まずは、声が出せるかどうかを確認しましょう。声が出ない場合はすぐに119番通報を行いましょう。窒息によって子どもが意識を失っている場合、救急隊が到着するまで心肺蘇生を行います。心肺蘇生の基本的な方法は、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせとなります。意識がある場合、1歳未満の子どもに対しては「背部叩打法」と「胸部突き上げ法」を数回ずつ交互に行います。
1歳以上の幼児の場合は「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」を行います。いざという時に命を救う行動ができるように、小児呼吸器学会のホームページで公開されている「気道異物事故予防ならびに「対応パンフレット」 で救急処置の内容を確認したり、講習会等に参加するなどして、救急処置の知識を身に着けておきましょう。
誤嚥したかどうかはっきりわからない時
子どもが誤嚥しているか、はっきりわからない場合でも、呼吸状態が普段と違うなどの症状がある場合には医療機関への相談をお勧めします。
休日や夜間などで、どのように対応するべきか分からない場合、「小児救急でんわ相談(全国共通#8000番)」で、小児科医や看護師に相談することができます。状況を電話で説明すると、どのように対応すべきか、すぐに受診する必要があるかなど、適切なアドバイスをもらうことができます。
医療や機関を受診する際には、必ず誤嚥の可能性があるということを医師に伝えるようにしましょう。