食物アレルギー

どんな病気?

食物アレルギーは、特定の食物が体に入って、アレルギー反応を起こす病気です。なお、アトピー性皮膚炎・じんま疹=食物アレルギーではありません。特に、乳児の食物アレルギーは消化管の消化吸収が未熟な1歳児までがピークと言われています。その後、消化吸収機能の発達や免疫力の発達により2~3歳頃までには、食べても症状が出なくなるお子さんがたくさんいます。これを「耐性の獲得」と言います。

どんな症状?

症状が現れるまでの時間の長さによって、即時型と非即時型の2種類があります。即時型は食べた直後~2時間以内に、非即時型は食べた後2時間以降に症状が現れます。

皮膚・粘膜症状では、じんま疹、口内や喉の違和感、唇の腫れ、目の充血など、呼吸器症状では、咳込んだり、声がかすれたり、呼吸困難など、消化器症状では、嘔吐、腹痛、下痢などが挙げられます。

アナフィラキシーによる血圧低下、意識障害(=アナフィラキシーショック)などの重篤な全身症状が発生することもあります。

※アナフィラキシーショックとは、急に発症して短い時間の間に、体の広い範囲に広がる全身性のアレルギー反応(アナフィラキシー)が最も重篤な状態です。最悪の場合、死亡に至るケースもあります。

飯塚病院での治療

食物アレルギーで大切なことは、正しい診断に基づき食物の除去(アレルギーの原因となる食物を食べさせないようにすること)を最小限に抑えることです。

当院では、耐性獲得の時期、除去食の解除の時期など、血液検査の結果をもとにお母さんにご指導しています。ご希望に応じて、入院して耐性獲得の確認のための経口負荷試験を行うことも可能です。

アナフィラキシーになったことがある重症度の高い患者さんについては、必要に応じて小児アレルギー専門医が常在するアレルギー専門病院をご紹介し、受診していただいています。

エピペン処方の適応のあるお子さんは、当院でも処方ならびに使用方法のご指導などの対応が可能です。

また、卵アレルギーのため、かかりつけ医でMRワクチン、インフルエンザワクチンを接種できないお子さんについては、かかりつけ医の紹介状と直近のアレルギー検査データを持参していただき、完全予約制で当院において接種させていただいています。

早期発見・早期治療のために

食べた後に上記のような症状が現れた場合は、かかりつけ医を受診してください。ただし、アナフィラキシーショック症状が現れたときは、すぐに救急車を呼んでください。口の中に食べ物が残っていたり、皮膚に触れていたりする場合は、すぐに水で洗い流してください。

ドクターからのアドバイス

親御さんにとっても、授乳時期のご自身の食事制限が必要になったり、子どもさんが大きくなってからは食事にアレルギー源が混ざらないよう調理器具を分ける必要があったり、と大変だと感じられることが多いのではないでしょうか。耐性獲得確認のための食物負荷試験などを通じて、お子さんの辛さはもちろん、親御さんのご苦労もできるだけ取り除けるよう、私たちも取り組んでいますので、力を合わせてがんばっていきましょう。