- 2018.10.05
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Vol.1では、「起立性調節障害」の起こるメカニズムをご紹介しましたが、今回代表的な症状や診断方法、症状の和らげ方をご紹介します。
「立ちくらみする」「疲れやすい」「朝起きれない」
起立性調節障害の代表的な症状としては、以下の5つが挙げられます。
- 「立ちくらみ」または「めまい」を起こしやすい
- 立っていると気分が悪くなる、ひどい時には倒れる
- 入浴時や、嫌なことを見聞きした際に気持ち悪くなる
- 少し動いただけで動悸や息切れがある
- 朝になかなか起きられず、午前中は体の調子が悪い
一般的に「立ちくらみ」や「疲れやすい」というのが起立性調節障害の典型的な症状です。また「朝起きられない」という症状から、起立性調節障害の子どもの3分の2は不登校というデータもあります。
起立性調節障害ではそのほかに、
- 顔色が悪い
- 食欲不振
- 時々強い腹痛を訴える
- 倦怠感
- 頭痛
- 乗り物に酔いやすい
などの症状をともなうことがあります。
起立性調節障害 どう診断する?
起立性調節障害の症状は他の病気でも起こり得るため、症状以外にも血液検査や画像検査などの結果をみながらほかに疑われる病気との鑑別をおこないます。
ほかの病気への疑いが排除され、起立性調節障害の可能性が高いと診断されたら、次に「新起立試験」をおこない次の4つのサブタイプに分類します。
- 起立直後性低血圧:起立直後の血圧調整に時間がかかるタイプ
- 体位性頻脈症候群:起立直後に心拍が上昇し、回復に時間がかかるタイプ
- 神経調節性失神:起立中に急激に血圧が下がり、失神してしまうタイプ
- 遷延性起立性低血圧:起立し続けると少しずつ血圧が下がり、失神するタイプ
生活リズムの改善と周囲の理解が大切
起立性調節障害は症状の重さによって治療法が異なりますが、軽度の場合は以下に示すような生活改善で病状をコントロールすることが可能です。また病状の改善には本人と周囲の人たちがこの病気について理解を深めることがとても重要となります。
- 生活リズムを整える
「早寝早起き」「日中ゴロゴロしない」「眠くなくても夜更かししない」などを心がけ、生活リズムを整えましょう。 - 適度に運動する
「毎日30分は歩く」など、体に負担のない程度の運動を毎日おこないましょう。 - 起立の際はゆっくり立ち上がり、長時間の起立は避ける
急に立ち上がらず、頭を下げた状態でゆっくり体を起こしましょう。また長時間立ち続けることはできるだけ控えましょう。 - 水分と塩分をしっかり摂る
1日に水分を2ℓ、塩分10gを摂るように心がけましょう。