- 2018.06.29
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飯塚病院には、42の診療科があり、約300名の医師が日々診療を行っています。今回は、飯塚病院 小児科ドクターより「発達障害」についてご紹介です。
発達障害の症状や診断は?
『発達障害』にはその特徴によって、ADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉スペクトラム症、学習障害などに分けられます。どれかひとつだけでなく、いくつかの特徴が重なって現れることもあります。
症状には、落ち着きがない、コミュニケーションが苦手、こだわりが強い、などが見られますが、これらは全ての子どもたちが少なからず持っている特徴で、一般的には成長とともに和らいでいきます。しかし、『発達障害』はこの過程が遅かったり、バラつきがあったりする状態です。
発達障害かどうかは、行動チェックリストや神経診察を行うほか、発達歴なども伺いながら診断していきます。
治療法について – ちがいを認めて受け止め、良いところを見つけること –
主に行動療法による治療を行います。行動療法では、お子さんそれぞれの良いところを見つけたら褒めて、良くない部分は正しく注意していきます。まずは、そのためにもお子さんの特徴を良く把握することが大切です。お子さんに関わるご家族、保育園や学校の先生は、ほかの子とのちがいをネガティブに捉えてしまわずに、まずはそのちがいを知って、認めてあげることも重要です。
お子さんの行動で問題が強い場合には、薬物療法もあわせて行っていきます。
なお、当院ではかかりつけの医療機関からの紹介状をもとにご相談をお受けし、臨床心理士と共に診察しています。
不安を感じていらっしゃる親御さんへ
お子さんが成長するにつれて周りのお子さんとちがう面があると不安を感じるかもしれません。ですが、そのちがいを認めて上手に付き合っていくことで、周りのお子さんとの集団生活も送れることがほとんどです。
大切なのは、保育園や学校の先生たちとの連携やコミュニケーションです。自宅以外での様子を把握しておくことは、お子さんの行動の特徴を知ることや、そのちがいとの上手な付き合い方を知ることにも繋がります。
発達障害のお子さんは、他のお子さんとくらべて感じ方が異なることも珍しくありません。まずは、お子さんの話をゆっくりと聴くことがスタートです。
気になる症状があれば、かかりつけ医に相談し、当科を受診してください。