- 2018.06.15
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前回【Vol.1】では、授乳期の乳腺炎についてご紹介しましたが、授乳期以外でも乳腺炎を発症する場合もあります。今回は、乳腺炎予防のコツや授乳期以外の乳腺炎について紹介します。
乳腺炎を予防するには
授乳期におけるうっ滞性乳腺炎は、乳房に母乳が溜まることが原因で引き起こされます。つまり飲み残しの母乳を乳房に溜めたままにしないことが、乳腺症の予防には効果的です。赤ちゃんが飲みきれず余った母乳は、搾乳するなどして乳房に母乳が残らないよう注意しましょう。
また母乳は血液から作られるため、授乳期に油分の多い食べ物や糖分を多く摂取すると乳管が詰まりやすくなり、乳腺症になるリスクを高めてしまいます。さらに、ストレスや疲労の蓄積も血液の流れを悪くしてしまうため注意が必要です。授乳期は油分を控えめにしたバランスの良い食事を心がけ、家族のサポートを受けながらできる限り休息をとるようにしましょう。
乳腺炎は授乳期だけとは限らない
乳腺炎は授乳期特有の病気だと思われがちですが、授乳期以外でも乳腺炎を発症する場合もあるので注意が必要です。
非授乳期に起こる乳腺炎で代表的なのは『乳輪下腫瘍(にゅうりんかしゅよう)』です。この場合、乳輪の下側あたりに膿が溜まり、乳房の腫れや痛み、しこりなどの症状を引き起こします。乳輪下腫瘍は中年期の女性や陥没乳首の女性、そして喫煙している女性に発症しやすいといわれています。
また非常にまれな乳腺炎として、『肉芽腫性乳腺炎(にくがしゅせいにゅうせんえん)』があります。肉芽腫性乳腺炎も乳房の腫れや痛み、乳腺内に膿が溜まるなどの症状が起こりますが、その原因は明らかになっておらず、治療法も確立されていません。
自身に出産経験がない、もしくは授乳期ではない方でも上記のような乳房の異常を感じたら、乳腺外来などの専門科を速やかに受診しましょう。