赤ちゃんのいちご状血管腫!いつごろに治るの? Vol.2

イメージ:眠っている赤ちゃん

  • 2018.08.10
目次

     Vol.1では、いちご状血管腫(乳児血管腫)の原因や症状、できてしまうと危険な部位についてご紹介しました。今回は、自然治癒する場合にかかるおおよその期間のほかに、薬物療法やレーザー治療、外科手術といった治療法もご紹介します。

    いちご状血管腫は治療するべき?

     これまで、視界の妨げになっていたり命の危険にさらされてしまう可能性があるものについては治療が必要でしたが、いちご状血管腫自体は自然治癒するため、特に治療の必要はないといわれてきました。
     しかし、自然治癒までには時間がかかります。生後数週間から2歳前までは徐々に大きくなってきていたいちご状血管腫も、2歳をすぎたあたりから次第に小さくなっていき、5歳までの間には約50%の人であざが消失するといわれています。小学1年生頃までには約75%の人が自然治癒していきますが、それ以降になってもあざが消えない場合はあざを消す治療を受けるということが主流でした。
     しかし、色素レーザー治療が保険適用となったことから、経過観察で自然治癒を待つのではなく、いちご状血管腫ができはじめた初期の段階から治療を開始したり、薬を使って治療する人が増えてきました。
     早くに治療を受けることで、血管腫の増殖を抑えることができるほか、治療したあとの跡も消えやすくなるようです。

    ドクターより

    いちご状血管腫の治療方法

    イメージ:薬

     治療には、薬物療法とレーザー治療、外科手術などがありますが、幼児期に治療を受ける場合は薬物療法を行うことが多くなっています。成長発達や命に関わるような場合はステロイド治療が行われたり、大きいあざに対しては血管の増殖を抑えて大きくなるのを防ぎ、小さくする作用のあるプロペラノールという成分が入った薬などが使われています。
     その一方で、プロペラノールを使った治療は低血圧や低血糖、呼吸困難、下痢、嘔吐などの副作用もあるため、治療をするときは医師としっかり相談したうえで治療をすすめていくことが大切です。

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    編集者より
    いちご状血管腫は自然治癒するといっても、乳幼児期の間に大きくなっていくので不安になる人も多いことでしょう。でも、大人になる前に消失する人がほとんどです。最近は赤ちゃんのうちから治療をする人も増えてきているので、方針については医師と相談したうえで決めることをおすすめします。

    監修: 飯塚病院 小児科

    小児科写真

    We deliver the best for children. ~子どもは未来、すべては子ども達のために~をミッションに福岡県筑豊地域の中核病院小児科として診察にあたっています。筑豊地域唯一の救急対応の総合小児施設として、小児神経や内分泌などの専門外来も充実しています。また、お子さんの入院中や退院後は、臨床心理士やソーシャルワーカー、保育士がお子さんとお母さんのバックアップを行います。

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