性器ヘルペスって?妊娠や出産への影響は? Vol.2

イメージ:妊娠検査

  • 2018.06.01
目次

     前回【Vol.1】では、子どもから感染する感染症を中心にご紹介しましたが、今回はサイトメガロウイルス感染、水ぼうそう、単純ヘルペスウイルス、尖圭コジンローマなどの感染症について紹介します。

    妊娠中に発症した場合の影響は?

     妊婦さんが性器ヘルペスを発症した場合、胎児に影響を与える可能性があるものとして「新生児ヘルペス」があります。新生児ヘルペスとは、新生児が単純ヘルペスウイルスに感染した状態のことです。出産前の胎児に関しては、ほとんど危険性はありませんが、気をつけたいのは出産時です。赤ちゃんが産道を通るときにウイルスに触れて感染し、新生児ヘルペスを発症する可能性があります。しかし、産道感染のリスクがある場合は、帝王切開で出産することで、新生児ヘルペスの発症を回避することが可能です。
     妊娠中に性器ヘルペスを発症したとしても、妊娠の継続や出産は可能であり、赤ちゃんへの影響もほとんどありませんので、必要以上に不安にならないようにしましょう。

    ドクターより

    治療法は?妊娠中でも大丈夫?

    イメージ:ハートを持った医師

     現時点では単純ヘルペスを死滅させる 治療法は確立されていません。そのため、性器ヘルペスの治療は、ウイルスの増殖を抑えたり、症状を緩和させることを目的としています。
     一般的には治療薬として「抗ヘルペスウイルス薬」が使われ、アシクロビル、バラシクロビル、ビタラビンなどの種類があります。内服薬や軟膏・クリームなどのタイプがあり、症状や患部によって薬を使い分けます。
     妊娠初期に発症した場合は、軟膏やクリームを使っての治療です。妊娠中期~後期にかけて発症し、症状が強い場合は軟膏やクリームと併用して内服薬を使うこともあります。抗ウイルス薬であるアシクロビルは、妊婦さんに薬を投与したとしても、流産などを引き起こす可能性はほとんどありません。副作用も少ないので、しっかりと治療に専念しましょう。
     また、妊娠中の再発を防ぐ目的で継続的にアシクロビルを投与することもあります。内服薬に不安がある方は、医師から説明を受けた上で、状態や症状と合わせて軟膏やクリームだけで治療ができないかどうか相談してみるといいでしょう。ただ、症状が重い場合は、内服薬や点滴投与で治療をした方がいいケースもあるので、必ず医師へ相談することが大切です。

    ドクターより
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    編集者より

     陰部のかゆみや水ぶくれは性器ヘルペスの特徴的な症状です。症状に気が付いたら早めの治療をおすすめします。また、妊娠中に発症しても妊娠の継続や出産に影響することはほとんどなく、胎児への発症リスクも帝王切開で回避することができますので、安心して治療に専念しましょう。

    監修: 飯塚病院 産婦人科

    当科では、妊娠や分娩はもちろん、良性・悪性の婦人科腫瘍、不妊症や内分泌異常を対象とした不妊内分泌領域、すべてに対応しています。また、筑豊地域唯一の総合周産期母子医療センターとして、ハイリスク母体搬送の受入れ、緊急手術や超早産児の診療にも24時間体制で対応しています。年間の分娩数は約600例、手術症例数は約800例と、福岡県内の大学病院に匹敵する症例数を誇っています。

    女性の良性疾患 手術数:九州・沖縄 第10位(249件/年)
    乳がん 手術数:九州・沖縄 第15位(129件/年)
    (手術数でわかる いい病院2017|朝日新聞出版)

     

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