- 2017.11.02
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やけどなど外傷を受けたときの反応でできる水ぶくれ
赤ちゃんや幼児の体にぷくっとできた水ぶくれ。発見すると「やけどしたの?」と、びっくりしてしまいますね。水ぶくれは、医学用語では水疱といって、死んだ皮膚細胞の薄い膜の下に液体がたまっているふくらみ。液体の中には、損傷を受けた組織からにじみ出てきた水分やタンパク質などが入っています。
やけどや靴ずれなど、外傷を受けたときの反応がよく知られていますが、細菌やウイルスの感染によるもの、遺伝性の病気とさまざまな原因があります。やけどで水ぶくれができたとはっきりしているときは、水ぶくれを破らないように注意して、皮膚科を受診しましょう。
細菌感染に注意!虫刺されが原因の水ぶくれ
赤ちゃんや幼児は、普通の蚊に刺されてもアレルギー反応で水ぶくれになりがち。蚊に刺された翌日から現れ、通常は数日から1週間程度でよくなります。
水ぶくれを破ってしまうと、傷口が細菌感染を起こすことがあるので注意が必要です。かゆみを抑える塗り薬を使い、ガーゼなどで保護します。虫刺されがきっかけになって、小児ストロフルスというかゆみをともなう水ぶくれがたくさんできる病気になることも。水ぶくれが破れてしまったら皮膚科か小児科を受診しましょう。
水ぶくれがただれてどんどん広がる“とびひ”(水疱性膿痂疹)
虫刺されやあせも、小さな傷からできた水ぶくれが破れてただれ、周囲に水ぶくれが増えてしまうことがあります。これは伝染性膿痂疹(のうかせん)のひとつで、黄色ブドウ球菌の感染が原因の水疱性膿痂疹。水ぶくれをかいた手を介して、体のあちこちに水ぶくれが広がっていくため、“とびひ”と呼ばれています。
治療には、抗菌薬や抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬が使われます。
水ぶくれに見える小さないぼができる伝染性軟属腫(水いぼ)
1~5mm程度で、中央がくぼんで光沢のある水ぶくれっぽいものや、淡い赤色の小さなブツブツが増えていく病気が伝染性軟属腫。幼稚園や小学生に多い病気で、感染力はそれほど強くなく、プールでビート板やタオルを共有することから感染します。
水ぶくれよりかたく、中身は水ではありませんが、小さな水ぶくれのように見えるところから水いぼと呼ばれています。内容物にはウイルスが含まれているチーズ状の白いかたまりです。皮膚科を受診してピンセットで取り除いたり、液体窒素で凍結させると治りますが、治療には痛みをともないます。時間はかかりますが自然治癒を待つこともあります。