医療関係者の皆様へ

肝臓内科レター

肝臓内科レターについて

 肝臓内科レターは、飯塚病院肝臓内科に患者さんをご紹介いただいている近隣のご開業の先生方に、その時々のトピックをお知らせするという意図で2005年に企画・開始されました。大体は、学会発表や症例報告などで新しい話題が出来ると、発表者が学会の演題の抄録などをもとに原稿を書くというもので、同年9月の第1号から2013年4月の第10号までは不定期に発行されていました。

 その後、肝臓内科部長引き継ぎなどの影響で2年半以上間隔が開いていたのですが、飯塚病院としても、周辺医療機関との診療連携の促進のために広報活動を強化しよう、という方針が出てきたこともあり、肝臓内科での取り組みとして、2015年12月から基本的に私が執筆して毎月発行する形で再開したものです。

 当初はC型肝炎の経口抗ウイルス薬治療の登場1年後の最盛期で、この新規治療を広く知っていただくことが主目的でした。以後は飯塚病院肝臓内科の診療内容や臨床研究について記述するようにし、肝臓内科レターの再開と同時に、週1回のペースでクリニック・病院を訪問して先生方と直接お話をさせていただきました。言わば営業活動ですが、これを1年間継続させていただいたことで、地域医療のあり方や筑豊のいろいろな地域の状況について、実感として学ぶことができたのは大きな財産になりました。

 再開した肝臓内科レターについては、いろいろなご感想をいただいてきました。そもそも、読んでいただく主たる対象の「近隣のご開業の先生方」(殆どは非肝臓専門医)には、臨床一筋の先生もおられれば、大学で長年研究をされていた先生や、大学院で基礎研究をされた経験をお持ちの先生もいらっしゃいます。これらの幅広いバックグラウンドを持つ先生方に対して、内容が簡単すぎても難しすぎてもいけないので正直難しいと思うところです。また、調べて書くという作業は恐るべきもので、大いに自分の無知を思い知らされることになります。時には疾患・治療、さらにはその基礎の概説をしないといけなくなるので、内容に私自身が得た知識の整理が加わったり、肝臓内科の若年医師への教育(科の内部でも閲覧するので、この程度は知っておいてほしい、ということなど)の意味合いも込められたりする、ということになります。

 これまでには、肝臓内科レターを書くことから学会発表につながっていったテーマもあり、それなりの時間と労力を費やして継続することから出てくるものもある、ということも実感されており、当面は継続していきたいと思っています。


肝臓内科レター記述にあたってのルール

 書いていく中で、決めているルールは、 ① ご紹介いただいた患者さんの診療から得られた情報のfeedbackという点が重要なので、可能な限り飯塚病院肝臓内科で得られた知見・データを示す。学会発表前の新しい研究結果も載せる。 ② 学会誌や商業誌の総説はたくさんあるので、同じようなものにならないように、自分が学んで理解した内容を自分の文章で書く。できるだけイラストも自分で作る。 ③ 文献の引用は、興味を持った先生が読んでみようと思われたときに、読みやすいように孫引き(元の論文を引用した論文を引用すること)もあり、というようなものです。

 文献はネットの検索(pubmedかgoogle)か学会誌(日本内科学会雑誌、消化器病学会雑誌、雑誌「肝臓」)に頼っています。どうしてもopen access journalが増えますが、一流紙でも少し古いものだと全文が読めるものは多いですし、必要なものは飯塚病院の図書館経由で入手しています。日本語の総説の中には、引用した論文を本当に読んでいるのか怪しいものが時にはあるので、元論文には目を通して、正確な引用であれば、その総説を引用文献に挙げています。また、学術誌ではないので、肝臓の話から離れた例えば基礎的な生化学の話などでは、wikipediaやサイトのURLを記すのみで済ませているものもあります。

ホームページに載せるにあたって

 肝臓病学も他分野に劣らず日進月歩の中にあるため、あまりに古い号を載せてももはや内容が古く感じます。検討した結果、2016年4月号から、最新号の1年前の物までをHPに掲載させていただくことにしました。最新号は1年間の間、送付された先生方しか見ることができないことになります。なお、肝臓内科レターの実物はA4紙3枚ですが、元原稿から当科のDS(ドクターセクレタリー)の石橋さんがレイアウトし、飯塚病院の広報課を通じて業者さんに依頼してきれいに印刷したものを近隣の先生方に郵送しています。

 差をつける意味で、HPのものはPDFなので、印刷しても送付用のものほどはきれいではないと思われます。まあ、そこまでの価値はないですが、良質のプリントアウトをご希望される場合は、飯塚病院の広報課にご連絡いただけたらと思います。

飯塚病院 広報課 0948 29 8892 もしくは kouhou@aih-net.com

肝臓内科部長 本村 健太