飯塚病院 歯科口腔外科

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診療科について

歯科衛生室

 現在歯科衛生室には6名の歯科衛生士とアシスタント1名が在籍しています。 口腔外科診療・手術のサポ-トなどはもちろんのこと、周術期口腔機能管理に力を注いでいます。
 これは、がんの手術および化学放射線治療や、心臓外科・整形外科関節手術などの前後に口腔ケアを集中的に行うことで口腔内の清潔を維持確保し、全身的合併症を減らそうというものです。 これらの疾患を担当する医科主治医や看護師とも連携し、歯科医師と一丸となって患者さんの入院前から退院後を含めて周術期口腔機能管理を行っています。
 病気と戦っていくには、患者さんが出来るだけ自然な形で口から栄養を取り続けることが望ましいです。 歯科衛生士は口腔のプロフェッショナルとして、口腔ケアを通して、病気治療中の口腔のトラブルを軽減させ、病気の治療の支援を行っています。

 歯科衛生室では、口腔ケア啓発のために地域での講演活動などにも積極的に取り組んでいます(詳しくはこちらから)。「歯科衛生室だより」も定期的に発行しています。

当科の周術期口腔機能管理の流れ

周術期口腔ケアフロー図

  1. 医科主治医より口腔機能管理の依頼
  2. 歯科医師による口腔内審査
    医科主治医より口腔ケアの依頼を受け、歯科医師による口腔内の精査を経て、口腔機能管理計画が立てられます。必要であれば、歯科治療や外科的処置(抜歯など)を行います。
  3. 歯科衛生士による口腔衛生指導、歯周検査、歯石除去
    病気の治療を行う上で口腔内細菌は、さまざまなトラブルを引き起こす原因になります。 患者さん本人に口腔内への関心を高めていただくためにも、歯科衛生士は口腔機能管理計画に沿って患者さんのセルフケアのレベル向上のためのブラッシング指導や歯周検査、 歯石除去といった専門的な口腔衛生処置を行っていきます。口腔内の状況や全身状態も考慮した上で、その方に合った口腔ケア物品の選択をし、ブラッシング指導を行います。 これは感染源である口腔内細菌を除去するうえで大変重要なことです。
  4. 手術前日:プラークフリー法実施
    手術前日には口腔内細菌を全て取り除くプラークフリー法を実施します。プラークフリー法実施後は、数日間、口腔内細菌が増殖しづらくなると言われています。
  5. 手術後:病棟、ICUへ往診にて口腔ケア実施
    手術後は、歯科衛生士が病棟に伺いベッド上で術後の専門的口腔ケアを行います。その後も必要であれば、定期的に入院中の口腔ケアを行っていきます。 これにより、術後に発生しうる誤嚥性肺炎や手術創部の感染など、口腔内細菌由来の全身合併症の予防につながっています。
  6. 口腔内の状態が安定するまで1回/週 専門的口腔ケア実施

病棟でのケア

      

化学療法・放射線治療、緩和ケア

 化学療法や放射線治療をされる患者さんは、抗がん剤や放射線治療の副作用による口腔粘膜炎や味覚障害、口腔乾燥などさまざまな口腔のトラブルが生じます。 そのため、定期的に口腔ケアを行うことで、口腔合併症の予防や口腔機能の維持、経口栄養摂取の促進にもつながっています。
 また、入院療養中にはからだの症状(痛み・息苦しさ・だるさ)に加えて、免疫力や体力の低下によって、口腔内の不快感、口腔乾燥、カンジダなどのお口の症状が出てくることがあります。 そのようなお口のトラブルの予防や症状緩和のためにも定期的な口腔ケアが重要となってきます。

プロフェッショナルケア

      

院内連携や口腔ケア啓発の取り組み

 当院は急性期病院であるため、お口の問題から全身の合併症を引き起こすリスクの高い患者さんが多く入院されています。 そのため入院中の口腔衛生状態の管理は非常に重要です。 したがって、歯科衛生士は病棟の看護師の口腔ケアのスキルの向上や、患者さんに質の高い口腔ケアを受けていただけるように、口腔ケアに関する講習会を行っています。 また糖尿病教室やRSTラウンド、ICTなどのチーム医療にも参加し多職種連携を深めています

院内連携

啓発活動

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