- 2016.08.05
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子どもはもともと嘔吐しやすいのです
子どもが嘔吐すると、びっくりしてしまいますよね。元気よく遊んでいたかと思ったら突然嘔吐することもあります。子どもはまだ自分のからだのことを周りにうまく伝えられないですから、こちらから「気持ちわるい?」「食べ過ぎた?」などと聞いても返事があいまいで、はっきりしないことも多いもの。子どもの嘔吐にはどのような原因があるのでしょう。
実は、子どもは消化機能が未発達で成長しながら内臓の機能が完成されます。胃の形も大人より縦型で、胃に入ったものが食道へ戻らないようにする筋肉もしっかりしていません。よって、食べ過ぎや咳のしすぎでお腹に力がかかったときにはすぐ嘔吐してしまいます。赤ちゃんでは、母乳やミルクの飲み過ぎやゲップがうまく出せなかった時にもみられます。また、風邪や胃腸炎など感染性の病気にかかったときや、まれに消化管や脳の病気が潜んでいることもあります。
- ドクターより
子どもが嘔吐してしまったら?その対処法
子どもが嘔吐したとき、きちんと対処できているか心配になることもあると思います。まず、嘔吐してしまったときは、嘔吐が落ち着いたら水分を与えましょう。お茶でもいいですが、こんなときにはイオン飲料や脱水状態に適した経口補水液があるといいですね。一度にたくさん飲ませず、少しずつ与えるようにしてください。
子どもは嘔吐の原因が自分でわからないもの。嘔吐すると驚いて不安になったり、怖がって泣いてしまうこともあるでしょう。嘔吐したものを片付けたら、子どもによく声をかけ、そばにいてあげましょう。嘔吐のほかにもいつもと違う症状がないか観察することも大切です。感染症の可能性もありますから、家族や周りの人は手洗いやうがいをしっかりしましょう。
病院に連れて行く?様子を見る?その基準とは
親として一番不安になるところは、「病院へ行くか、家で様子を見るか」というところだと思います。一般的には嘔吐が1~2回で止まり、元気があってスッキリしたような表情になっていれば様子を見てもいいでしょう。もし、以下のような様子があった場合には早めに病院を受診してください。
- 嘔吐が続いている
- 腹痛や下痢があったり、お腹が張っている
- 頭痛がある
- 呼吸が荒い
- 発熱がある
- 元気がなく、ぐったりしている
- 吐いたものに血や緑色の液体が混ざっている
子どもは脱水になりやすいですし、胃腸の感染症はよく見られることです。何回も吐くと食物の残渣がなくなり、黄色の胃液が多くなります。吐いたもの赤ければ血液(消化性潰瘍)、緑色なら腸閉塞という怖い病気の可能性がありますので緊急です。状態が重くなる前に医師に相談しましょう。