感染症TOPICS
第9回:ワクチン・トラベル外来
感染症科 山手亮佑
『ワクチン・トラベル外来』について
2019年7月から筑豊地域初のワクチン・トラベル外来を開設しました。現在はCOVID-19の影響で下火になっていますが、昨今のグローバル化に伴い、2019年度までは多くの日本人が海外に渡航していました。海外では、日本では診ることのない疾患が発生しており、また、日本にいる時よりも感染する危険性が高い疾患も存在しています。なかには予防内服や予防接種で予防できるものもあり、海外渡航前のワクチン・トラベル外来受診をお勧めしています。
海外渡航に際して必要となるワクチンは、渡航先、渡航期間、渡航形態、年齢、健康状態、これまでの予防接種歴、渡航先の感染症流行状況などによって異なります。当科では、クライアントのニーズに応えるべく、世界基準であらゆるVPD(Vaccine Preventable Diseases)に対応できるよう、WHO(世界保健機関)認可のもと厳しい基準を経て製造された国内未承認ワクチン(輸入ワクチン)も取り扱っています。受診頂く際には、必要な回数の予防接種を完了するため、また予防接種の効果を確実なものにするために、できるだけ渡航前1-2ヶ月以上の猶予をもって受診をお願いしています。
※下記に渡航先別おすすめワクチンを掲載しています。
予防接種以外にも、例えば、蚊の対策方法やマラリアや高山病の予防薬の処方、時差調整方法やインスリン投与間隔のアドバイスなど渡航先での注意点を情報提供しています。また、海外留学に必要な英文診断書・証明書の作成やダイバーズ検診など渡航に関するあらゆる相談に対応しています。さらに昨年からは、渡航前新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の発行も行い、多くの企業・個人から依頼を受けています。
当ワクチン・トラベル外来では、予防接種の相談から帰国後の体調不良まで渡航医学に精通する医師が 対応致します。受診を希望される職員、家族、知人、患者さんなどがいらっしゃいましたら、お気軽に感染症科外来までご相談ください。