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食欲の秋と旬野菜の健康効果

 秋は「天高く馬肥ゆる秋」と言われるように、空が澄み渡り爽やかな気候が続きます。この時期は食欲が増すため「食欲の秋」と呼ばれますが、その背景には私たちの体の仕組みが関わっています。日照時間が短くなると、精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」が不足しがちになります。セロトニンは食事によっても分泌が促されるため、秋は自然と食欲が高まるのです。さらに秋は旬を迎える食材が豊富で、栄養価が高いことも食欲を後押しします。

さつまいも

 代表的な秋の食材のひとつがさつまいもです。9〜12月が旬で、自然な甘味と豊富な栄養が魅力です。 特筆すべきはビタミンCの含有量で、リンゴの約5倍、みかんと同程度を含みます。 コラーゲン生成や免疫力向上、抗酸化作用などに役立ち、加熱してもでんぷんに守られるため壊れにくいのが特徴です。さらに疲労回復に必要なビタミンB1、腸内環境を整える水溶性・不溶性食物繊維も含まれます。 調理は焼く・蒸す・炒める方法が適しており、水にさらす時間は10分以内に抑えると栄養を逃さずに済みます。皮にはポリフェノールやカルシウムが豊富なため、皮ごと食べることをおすすめします。
 このように、秋の旬野菜は夏の疲労を癒し、これから迎える冬に備える栄養を効率的に摂れる自然の恵みです。旬の食材を楽しむことは、心身の健康を支えることにもつながります。秋の食卓にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。


参考:食欲の秋!10の旬を迎える食材と栄養を逃さない調理方法/日東エネルギーグループ
文責:山﨑 彩

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