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専門外来

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

タバコ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)は、これまで「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれてきた病気の総称です。タバコの煙などを長期に亘り吸入することによる、肺の炎症が原因です。「肺の生活習慣病」として近年注目されています。
 40歳以上の日本人の、10人に1人がCOPDと推定されていますが、きちんと治療を受けている人は、そのうち4%程度です。COPDが進行すると息切れ、息苦しさにより、運動能力や生活の質が低下します。
 日本ではCOPDのため年間1万7千人の方が亡くなっており、死因の第9位となっています。COPDによる死亡者数は、今後さらに増加すると予想されています。

原因

 最も多いのは喫煙です。喫煙者の10人に2人がCOPDを発症すると言われています。また、受動喫煙でもCOPDが起こることが分かっています。
 タバコの煙などの有害な物質を吸入することで肺や気管支喘息に炎症がおきます。炎症により、咳や痰などの症状が出たり、気管支が細くなることで空気の流れが悪くなり、息切れを感じるようになります。また、肺を構成している「肺胞」が破壊されて、「肺気腫」という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出能力が低下します。COPDではこれらの変化が併存しているため、治療を行っても肺が元に戻ることはありません。

診断

診療風景

 症状やこれまでの経過からCOPDが疑われる場合には、「肺機能検査」で確定診断を行います。最大限努力したときに吐き出せる空気の量や、吐き出す速さを確認します。
 そのほか、胸部X線検査やCT検査なども行います。
 また、COPDは症状が肺だけにとどまらず、全身にも影響を与えることが分かっています。肺以外の全身の診察や検査も定期的に行うことで、合併症の予防や早期発見が可能になりました。合併症の状態を把握することも、最適な治療法の選択には欠かせません。

治療

 症状や生活の質を改善し、病状や体力の悪化を予防し、長く生きられるよう治療を行います。治療の基本は禁煙であり、病状の進行を遅らせたり合併症を予防するために、最も重要です。
 そのほか、薬物治療(気管支拡張薬や抗炎症薬の吸入、去痰剤など)、運動療法(呼吸リハビリテーション)、栄養療法などを組み合わせることが大切です。いずれの治療も、日常生活の中に取り入れて習慣化し、継続することが、秘訣になります。
 状態によっては在宅酸素療法や、小型の人工呼吸器を自宅で使用することもあります。また外科手術や内視鏡的な治療を行うこともあります。患者さんごとの病態や、そのときの病状に合わせた生活や治療が重要になります。
 飯塚病院 呼吸器内科では、「COPD 専門外来」を行っています。希望される方は、外来担当医にお伝えください。

呼吸リハビリテーション

 [1]息切れを和らげること、[2]生活を見直すこと、[3]運動習慣をつけること などが目標です。
 COPDと上手に付き合っていくためのコツを、専門医や呼吸リハビリテーションを専門とする理学療法士、認定看護師、薬剤師、栄養士らとともに考え、習得しましょう。
 具体的には、まずは全身の状態を多方面から評価します。患者さんごとに、そのときの状態にふさわしい生活習慣やリハビリテーションの計画を考えます。呼吸筋のストレッチやマッサージ、機器を用いた訓練、歩行訓練、日常動作の工夫などを練習します。

COPD専門外来

ドクター

 当院 呼吸器内科では、COPDの患者さんに正しい知識を提供し、患者さんと医療スタッフが手を取り合って病気の進行を遅らせ、生活の質を長く保つことを目的に、「COPD 専門外来」を行っております。COPDに特化した完全予約制の外来で、通常よりも時間をゆったりと確保しております。
 初めの3ヶ月間は毎週通院していただき、検査や薬物治療を行いながら、呼吸リハビリテーションを受けていただきます。治療が軌道に乗れば、通院の間隔を延ばしたり、もともと通院していた先生に戻ることなども可能です。
 「COPD専門外来」の受診を希望される方は、予約が必要となりますので、外来担当医にお伝え下さい。初診の方は、まずは呼吸器内科の外来を受診してください。

【外来日】
毎週 火曜日、午後2時から

(文責:飯塚病院 呼吸器内科 吉松 由貴)