飯塚病院 外科

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各疾患のご説明と当科の取り組み

膵臓がん

“あきらめない外科”-膵がん治療への取り組み-

膵臓癌は難治性癌の代表

 世の中で言ういわゆる「膵臓癌(膵癌)」とは、医学的には「通常型膵癌」にあたると思います。膵臓の悪性腫瘍には、その他に膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)や膵神経内分泌癌などがあり、これらは「膵がん●●」と表現します。今回は、この「通常型膵癌」を膵癌としてご説明します。
 膵癌による死亡数は、増加傾向にあります。根治を目指せる治療法は、唯一外科手術のみとされていますが、手術をしても再発の可能性は残ります。しかも再発率が高いため、手術のみによる治療の限界も明らかであり、治療成績向上には、外科手術に加え、化学療法、放射線療法を組み合わせた「集学的治療」が必要です。つまり、手術と化学(放射線)療法は「車の両輪」とも言えます。当院でも、他施設と同様、根治手術ができる方は膵癌患者さん全体の20~30%と少ないです。進行してから発見されることが多いのが、その理由のひとつです。他部位の癌に比べ圧倒的生存率が低く、膵癌が、「21世紀に残された最後の難治性癌」のひとつと言われる所以です。

(出典:国立がん研究センターがん対策情報センターHPがん統計、
    厚生労働省「人口動態統計」)

膵癌でお困りの患者さん、ご家族の皆さんへのメッセージ

 膵癌の診断となり、地域の病院で、「手術できません」と言われる方もいらっしゃるでしょう。恐らく適切な診断が、なされていると思います。
 しかしながら、わずかに光も見えてきています。少しずつですが膵癌治療も進歩しています。「可能性にかけてみたい」というご希望がある方は、是非、一度ご相談いただければお役に立てるかもしれません。厳しい患者さんが、当院で必ず手術ができるわけではありませんし、必ず膵癌が治るというわけでもありません。夢のようなことを言うつもりはありません。皆さんのご希望に100%お応えできないのも事実です。
 ただ、少なくても、当科のモットーである「あきらめない外科」を胸に、ハイボリュームセンターの高度技能指導医としての技術と経験、そして最新の化学(放射線)療法を積極的に導入し、難治性である膵癌患者さんのご期待にお応えできば幸いと思います。

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