飯塚病院 心臓血管外科・大動脈疾患治療センター

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主な病気・治療について

不整脈

 不整脈の手術治療としてはペースメーカ、植え込み型除細動器(ICD)といった不整脈デバイスを植え込む手術と、心臓そのものにメスを入れて不整脈(特に心房細動)を治癒、あるいは発作を抑えるメイズ手術があります。

1.不整脈デバイス手術

 これには[1]おもに脈が減ったり、一時的に止まったりする徐脈性不整脈に対するペースメーカと[2]極端に心拍数が早くなる頻脈発作のうち、心室細動など危険性の高い頻脈性不整脈の治療のためのICD(体内に植え込むAEDとお考えいただければいいと思います。)、さらに不整脈ではありませんが、[3]心不全を心臓に植え込んだ電線からの刺激で治療する心室再同期療法(CRT)デバイス があります。
 いずれも局所麻酔下に肩口の傷から心臓に電線(リード線と呼びます)を挿入、心臓の脈を感知、解析しリード線に電気を流します。装置本体は肩口の筋膜の下に植え込む手術となります。
 手術時間や侵襲度としてはそこまで大きな手術ではなく、全国的には循環器科で手術を行う場合も多いのですが、術後いったん細菌感染を合併すると一転、死にいたる危険性も低くはない手術ではあります。当科では植え込んだ傷の感染を徹底的に予防すること、傷をきれいに仕上げることにこだわり、27年前の循環器センター創設時より心臓血管外科での手術を行ってきました。
 近年は循環器内科と合同で手術を行うことも増えてはきましたが、感染を予防する手技のトレーニングシステムで対策を持続し、現在でも術後の感染は1,000人に1人程度と全国平均の1/10程度に維持できています。
 さらに不整脈デバイスで重要なのは植え込み後の定期フォローです。当科ではペースメーカ外来を担当しています。現在600名以上の患者さんをフォロー中ですが担当の福村看護師を中心に電話での受診案内、極力待ち時間を減らす予約制の工夫、データベースの整備を行い、『一度植え込みをさせていただいたら一生のお付き合い』をモットーに現在99%以上のフォロー率を維持しています。
 また近年MRIの撮れるペースメーカが増加しましたが、MRI撮影時には慎重な準備、対応が必須です。
 この点についても当院臨床工学技師との連携で脳血管といった緊急性の高い疾患に対しては24時間365日MRI撮影可能体制をしいて術後QOL(Quality of life:生活の質)の向上を図っています。

2.不整脈(心房細動)手術

 不整脈の中でも心房細動はその頻度も高く、また脳梗塞の原因としても重要です。
 この心房細動に対しては、発生源となる心臓の部位を焼灼、隔離して正常のリズムへの復帰を目指すメイズ手術といわれる手術があります。
 カテーテルで行う場合もありますが、手術ではもっと徹底的に心臓のいろいろな場所を焼灼します。

 もちろん、この不整脈のためだけに心臓手術まで行うということは極めてまれで、通常は弁膜症手術、冠動脈バイパス手術などの際、心房細動を合併する場合に併施することになります。
 当科ではほかの心臓手術の際にではありますが、不整脈手術も積極的に併施することで、極力術後の投薬を減らし、QOLを向上させるように努めています。

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