後期研修医

ストレートコース

総合診療科〔スタッフ医:18名(うち指導医:6名)〕

ココがウリ!

総合診療科の後期研修

DATA(2015年実績より)

  • 年間外来患者数:延べ約15,100名
  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 年間入院患者数:約3,300名
  • 日本プライマリ・ケア学会認定医研修施設
  • 一日平均初診患者数:約9.5名

はじめに

総合診療科

 「日本の総合診療を創り、動かしていく。」という壮大なビジョンを掲げ、病院総合医および地域医療総合医の研修育成、診療向上を事業の軸に据えています。高度医療に伴う各分野の細分化、それに相反した医師不足による医師一人の診療範囲の拡大、高齢化社会における様々な合併症の増加、といった近年の問題に対して、高い水準で内科全般をカバーできる病院総合医は今後必須になります。当科では総合病院の病棟診療の中核になれる医師の育成を目指します。

 後期研修は病院総合医の育成を目的とした3年間の研修コースを実施しています。また1年間のトレーニングコースとして、今後他の専門内科、外科などに進む前に総合内科をしっかり勉強しておきたいという希望者のための、診断学・症候学・全身管理・感染症などの習得を目的とした研修コースも併設しています。

 2016年度は後期研修の教育担当としてスタッフが18名、後期研修医が23名在籍しています。初期研修医・後期研修医・指導医の3人1チームの屋根瓦式の指導体制で、外来診療・救急医療・内科急性期の病棟管理・内科系集中治療と幅広い分野をカバーし、常時100人前後の入院症例を担当しています。2015年度の総合診療科入院症例総数は2,133人でした。

 過去に当科後期研修を修了した医師は、他の施設において病院総合医、家庭医、腫瘍内科医、救急医、内科各専門科医(循環器、呼吸器、腎臓、膠原病、血液、感染症)、外科医、緩和医療医、精神科医、小児科医、などの多彩なキャリアパスを辿っています。

後期研修コース紹介

    当科には2つの後期研修コースがあります。
  • 病院総合医・後期研修コース【原則3年間】
  • 総合内科トレーニングコース【1年間のみ】

病院総合医・後期研修コース

目的

急性期総合病院で活躍できる病院総合医の育成

対象

  1. 病院総合医を目指す若手医師
  2. 将来は地域医療を目指しており、総合内科専門医相当の急性期病院総合内科の経験を求む医師

期間

原則3年間

コース内容

  • 1年を3ヵ月毎の4クールに分け、ローテーションは1クール毎とする
  • 病院総合医・後期研修コースの必須項目は、[1]毎年2タームの総診選択、[2]3年間のコースの前半での総診重症診療チーム1ターム選択、他施設での初期研修修了者は初年度の1タームのみER選択、となる
  • 各選択時期については研修医間の都合にて調整

病院総合医・後期研修コースのローテート例

1年目
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 総診
  • 総診
  • 総チ
  • 救急(※1)
  • 総診:総合診療科
  • 総チ:総診重症診療チーム
  • 救急:救急部
2年目
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 専門
  • 総診
  • 総診
  • 専門
  • 専門:専門内科選択
  • 総診:総合診療科
3年目
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 専門
  • 専門(※2)
  • 総診
  • 総診
  • 専門:専門内科選択
  • 総診:総合診療科

※1:他施設での初期研修修了者は初年度の3ヵ月のみERローテート

※2:後期研修3年目は一定の条件が整えば、選択期間の1タームを利用し臨床研究・他施設研修なども考慮する

到達目標

  • 診断学・症候学・救急初療・内科急性期の病棟管理について指導医水準になる
  • 総合内科専門医の取得条件を満たす
  • 急性期総合病院の内科全般の病棟運営の中核になれる能力を身につける
  • 初期~後期研修医の教育の中核になれる能力を身につける
  • 学会発表、各種医学雑誌への投稿、臨床研究を行う

総合内科トレーニングコース

目的

診断学・症候学・全身管理・感染症などの総合内科の基本を習得する

対象

  • 将来他科に進む予定がある、または決めかねており、その前の1年間で診断学・症候学・全身管理・感染症などの総合内科トレーニングを希望する医師

期間

1年間

コース内容

  • 1年を3ヵ月毎の4クールに分け、ローテーションは1クール毎とする
  • 総合内科トレーニングコースの必須項目は、[1]年2タームの総診選択、[2]年1タームのER選択、となる
  • 各選択時期については研修医間の都合にて調整

総合内科トレーニングコースのローテート例

1年目
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 救急(※1)
  • 総診
  • 総診
  • 選択
  • 救急:救急部
  • 総診:総合診療科
  • 選択:総診or総診重症診療チーム

到達目標

  • 診断学・症候学の体系的な学習と習得
  • 急変時の初期対応~全身管理について一定の水準を保った診療ができる
  • 1~3次救急の初療を自立して行う事ができる
  • 1次文献の検索と評価、2次文献の使用方法について習熟する(例:PubMed, Up to date, MD consult, etc)

その他

  • 1年間のコース終了後、希望者は病院総合医・後期研修コース(3年間)へ2年目としての編入が可能。ただしその年の募集定員を越えた場合は、入社時から3年間の後期研修コースを希望していた者が優先される。

後期研修内容詳細【総合診療科】

研修の特徴

  • 未診断の救急内科入院患者に病棟診療を提供しているため、病院総合医にとって最も重要な判断能力を獲得できる。
  • 担当症例については診断のみでなく、特殊手技が必要な症例以外は治療、外来管理まで行う。
  • 感染症診療においては標準的診療を重視した研修を実施。患者数、疾患の幅ともに豊富で、当科スタッフがICTである。また、充実した検査室との連携が良好。
  • 初期研修医、後期研修医、スタッフ医で構成するチーム主治医制を取っているため、後期研修医は『教育する』という指導機会があると同時に、スタッフ医から教育指導を得られる機会も多い。

〔外来〕

  • 主に内科初診で他科への紹介状のない患者、総合診療科への紹介患者を担当するため、非常に多岐にわたる主訴の診察を担当する。
  • 総合診療科に来院された患者は基本は当科外来にて治療を行い、必要に応じて各専門内科への紹介を行う。
  • 入院担当症例についても退院後は当科外来での治療を行う。
  • 夜間に救命センターを受診しその後のfollow upが必要な場合も、多くは総合診療科外来が担当する。
  • 2015年の初診患者は2,308人/年(195人/月)、再診も含めた外来受診患者は15,392人/年。
  • 外来診療は最初は6~7週のブロックローテートで、その間は毎日外来を行う。常に総合診療科スタッフのバックアップが付き、毎日外来全症例に対するフィードバックを受ける事ができる。ブロックローテート終了後は週1回程度の外来を継続する。
  • 夜間帯の救命センターの診療も年間を通して行う。
外来初診における頻度の高い主訴
  症候 件数
1 A03 発熱 581
2 D06 その他の限局性腹痛 481
3 N01 頭痛 460
4 N17 めまい/めまい感 341
5 A04 全身脱力/倦怠感 281
6 D09 嘔気 281
7 R05 咳 271
8 R21 咽頭の症状/愁訴 251
9 N06 その他の知覚障害 215
10 L14 下腿/大腿部の症状/愁訴 203
  症候 件数
11 D11 下痢 181
12 D10 嘔吐 156
13 L03 腰部の症状/愁訴 154
14 T03 食欲不振 151
15 B29 血液と免疫機能の症状/愁訴 148
16 L02 背部の症状/愁訴 134
17 A11 その他の胸痛 131
18 A29 全身症状/愁訴、その他 118
19 R02 息切れ/呼吸困難 118
20 A08 腫脹 111

2015年1月~12月 外来初診患者 延べ人数 4,104人

〔病棟〕

  • 総合診療科の入院症例は内科全般で非常に多岐にわたる(下記の主な担当症例参照)。
  • 入院経路は救命センター経由が最多で、未診断の症例やMulti problemで全身管理を必要とする症例が多い傾向にある。
  • 2015年の総合診療科入院症例数は2,133人/年。
  • 病棟担当は初期研修医・後期研修医・総合診療科スタッフの3人1チームが基本で、年間を通して常に8~10チームで入院症例を担当する。(1チームが同時に受け持つ担当患者数は平均10人前後)。当科の後期研修医は3人チームの中堅として、病棟診療の中核の役割を担う。毎日手厚いチームミーティングが行われ、常に初期研修医を指導し、スタッフから指導を受ける事ができる。
  • 毎朝8時から行われる症例カンファレンスでは、各後期研修医が持ち回りで週1回司会進行役を務める。
  • 週末はチーム内での引継ぎを行い、月に数回は完全な休日をとることができる。

主な入院担当症例

  • 未診断の内科系全症例
  • 胆管炎・胆嚢炎、イレウス、急性膵炎、上下部消化管出血
  • 急性呼吸不全(肺炎など)、急性・慢性心不全
  • 糖尿病緊急症(DKA、HHS)、電解質異常(Na、K、Ca、Mg、P)
  • 各種感染症(急性腎盂腎炎、蜂窩織炎、感染性心内膜炎、骨髄炎、化膿性関節炎、壊死性筋膜炎など)
  • 急性薬物中毒、アルコール関連疾患(アルコール性ケトアシドーシスなど)
  • その他Multi problemの症例 など

〔総診重症診療チーム〕

  • 総合診療科所属の内科系集中治療チーム。
  • 本コースの目的は、病棟急変や重症例を担当したときに昇圧剤、鎮痛・鎮静剤、人工呼吸器、CVカテーテル・動脈ラインの挿入や抗菌薬の選択など、一定の水準を保ち、問題なく対処できるようになること。
  • 3年間のコースの前半で、集中治療1ターム選択が必須となる。
  • EBMに基づき、その根拠・ポイントとなる文献までを押さえた指導をうけることができる。
  • 夜間・休日は引継ぎ制を採用。交代で夜間や休日は完全な休みを取ることができる。

主な入院担当症例

  • 各種感染症による敗血症性ショック
  • 重症呼吸不全、ARDS
  • 中毒重症例(有機リン・三環系・サリチル酸・リチウム・CO中毒等、中毒全般)
  • 重度の低体温・熱中症
  • 糖尿病緊急症(DKA・HHS)
  • 重症急性膵炎
  • CPA蘇生後
  • その他バイタルの崩れたmulti problemの症例

到達目標(総診重症診療チーム)

  • ショック症例の立ち上げから病棟管理まで(ショック、呼吸不全、心不全、腎不全など内科系重症例)
  • 挿管と人工呼吸器管理
  • Difficult Airway Management
  • 昇圧剤や鎮痛・鎮静剤の使用法
  • CVカテーテル・動脈ライン挿入
  • エコーガイド下穿刺
  • トロッカー挿入と管理
  • 気管切開、低体温療法、CRRT など

後期研修内容詳細【各専門内科:3ヶ月×4枠】

後期研修・細則

  • 所属は総合診療科後期研修医
  • 初期研修を修了した医師であれば卒後何年目でも参加可能
  • 病院総合医・後期研修コースは原則3年間で1セットのコース
  • 総合内科トレーニングコースは原則1年間。1年間のコース終了後、希望者は後期研修コース(3年間)へ2年目としての編入が可能。ただしその年の募集定員を越えた場合は入社時から3年間の後期研修コースを希望していた者が優先される。
  • 1年を3ヵ月毎の4クールに分け、ローテーションは1クール毎とする。病院総合医・後期研修コースの必須項目は、[1]毎年2タームの総診選択、[2]3年間のコースの前半での総診重症診療チーム1ターム選択と、初期研修が院外の場合はER1ターム選択、となる。
    ※各選択時期については研修医間の都合にて調整
  • 病院総合医・後期研修コースは3年間で最大4ターム(12ヶ月)の選択期間が設けられる。選択期間は各専門内科の選択が可能。コース3年目で一定の条件が整えば選択期間の1タームを使用し臨床研究・他施設研修なども考慮する。
  • 当院の後期研修の基準に則り、月数回の内科・救命センターの院内待機を行う。
  • 各種学会発表、医学雑誌への投稿、臨床研究を行う。

3年間のコース修了で取得準備のできる資格

下記の専門医について症例数等の専門医試験受験資格の条件は達成可能
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医

※日本内科学会認定医制度教育病院、UPMC指導医招聘プログラム

コース修了後の進路

3年間のコースを修了した方で、希望者は総合診療科スタッフ医への採用も検討可能です。
また、3年間の研修修了後、他院での就職を希望する場合は、当科より後期研修修了証と推薦状をお渡しします。

関連コース