後期研修医

ストレートコース

心臓血管外科〔スタッフ医:4名(うち指導医:2名)〕

ココがウリ!

心臓血管外科の後期研修

DATA(2015年実績より)

  • 年間手術症例数:約370名
  • 心臓血管外科専門医認定機構基幹施設

はじめに

心臓血管外科

 当科の治療症例は、(1)虚血性心疾患弁膜症を中心とした心臓外科領域。(2)胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、急性大動脈解離を中心とした大血管領域。(3)四肢末梢の閉塞性動脈硬化症、動脈瘤、静脈瘤といった末梢血管外科。(4)さらにペースメーカー、植え込み型除細動器の植え込みなどの不整脈外科まで、心臓血管外科全般にわたっています。

研修の特徴

  • 1年目:心臓血管外科専門医取得に必須である外科専門医の取得を最優先として外科各分野のローテート、症例経験を行う。外科専門医取得に必要な経験を満たしている場合には2年目の研修内容の先取りも考慮する。
  • 2年目:外科専門医の資格取得に必要なローテート終了後当科での研修を開始する。その中で心臓・大血管の発生と解剖、生理機能、各疾患の病態生理を理解し、術前・術後管理を行えるよう研修。また、それらに対する内科治療と外科治療を理解する。主に第2助手として手術を担当し、手術全体の流れおよび各疾患における手術法を学ぶ。
  • 3年目:急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性大動脈解離、不整脈疾患などの救急患者の来院に際しプライマリ・ケアが行える実力を養う。(心電図変化、心エコー検査の実施と診断、CT読影、体外式ペーシング、Swan-Ganzカテーテルの挿入など) 手術においては腹部大動脈瘤手術、単純な開心術などを指導医のもとに術者として経験。より難度の高い手術では、指導医の第1助手を務め、多数の手術を経験する。

診療実績(2015年実績より一部抜粋)

虚血性心臓病(単独) 20件 弁膜症 43件
胸部大動脈瘤 58件 (内大動脈ステント 31)
下肢静脈瘤 90件 ペースメーカー 85件

-その他の実績については、こちらから-

一般目標

 心臓血管外科レジデントは心臓血管外科専門医認定医制度における心臓血管外科専門医取得を目指し、自立した心臓血管外科医となる実力を養うことが目標となる。

行動目標

 まず研修医終了後、初心に戻り患者を全人的に理解し、良好な人間関係を確立するため、主治医として患者や家族のニーズを身体、心理、社会面から把握し、病状説明、インフォームドコンセントを通して医師としての責任感を高める。医師としての守秘義務の遵守のみでなく、日常的なプライバシーへの配慮も学ぶ。生命倫理に関し日頃より指導医と話し合い、終末期の立会いに際し、患者、家族の死生観、宗教観などに配慮する。特に当院には筑豊地域救命救急センターを併設し活発な活動を行っていることもあって、循環器内科からのルートのみならず救急部からの要請で緊急手術を施行する機会も多い。

 また近年大変重要視されている医療安全対策の報告は担当医・部長を介して即座に書類を作成する。院内感染・事故等の反復するおそれのある事項については、ICTなどの院内組織と検討し積極的に対策を講じる。

 さらに心臓血管外科レジデントは患者の主治医として、医長およびスタッフ医師の指導のもと保険診療の基本を学ぶ。受持ち患者のDPCを毎月確認し無駄のない医療を心がけるとともに、特に高額医療については症状詳記を提出し診療内容と経費の相関について理解を深めるよう努める。

教育

 1~2年目においては、外科学会専門医の習得のためのカリキュラムを実践しながら、心臓・大血管の発生と解剖、生理機能を理解した上で、各疾患の病態生理を理解し、術前・術後管理を行えるべく研修するとともにそれらに対する内科治療と外科治療につき理解する。その際、使用される薬物の薬理効果を理解し、その副作用に注意しながら実際の投与方法を学ぶ。病棟においては、大動脈疾患、虚血性心疾患、弁膜症、外科的治療の対象になる不整脈疾患などの担当医となり、症状、理学的所見、心電図、X線検査、超音波検査、CT、MRI、心臓カテーテル検査(心臓血管造影を含む)、核医学検査などの結果をもとに手術適応を学び、最適な手術法を決定する能力を養う。開心術では、主に第2助手として手術に入り、手術全体の流れを学び、各疾患における手術法を学ぶ。同時に、人工心肺装置のメカニズムを理解し、専任の体外循環技術認定士とともに実際の使用法を習得する。開胸閉胸手技、大腿動・静脈のカニュレーション、冠動脈バイパス術における大伏在静脈の採取、ペースメーカー植え込み術などの基本的な手技を習得する。術後管理では、心電図、動脈圧、中心静脈圧、肺動脈圧、心拍出量などのモニターの持つ意味を理解し、適切な術後管理が行えるべく指導医のもとに研修する。

 研修後半は、研修1~2年目の知識・技術習得の上に3~4年目の研修を行う。各疾患における病態生理の更なる理解を深め、急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性大動脈解離、不整脈疾患などの救急患者の来院に際しプライマリ・ケアが行える実力を養う。すなわち、心電図変化、心エコー検査の実施と診断、CT読影などを自ら行い、体外式ペーシング、Swan-Ganzカテーテルの挿入などを行う。また体外循環の確立をめざし、超低体温循環停止、脳分離体外循環等の理論を理解した上で、カニュレーションを含めた基本手技を実施する。手術では、冠動脈バイパス術、人工弁置換術、弁形成術などの定型的手術の第1助手を行い、ペースメーカー植え込み術などの基本的な手術では指導医のもとに術者として経験する。冠動脈バイパス術に使用する胃大網動脈、橈骨動脈グラフトの採取を担当する。術後管理は、各疾患に特異的な病態生理を理解し、術後急性期の変化にも適切に対応できる能力を得る。

 手術としては、腹部大動脈瘤手術、単純な開心術などを指導医のもとに術者として経験する。より難度の高い手術では、指導医の第1助手を務め多数の手術を経験する。手術(弓部大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤、大動脈解離、重複動脈瘤など)における到達法や補助手段の決定、リスク評価、治療方針決定の一翼を担う。術前、術中、術後管理を中心的立場で行う。小手術の術前説明、安定した状態の患者および家族に対する病状説明を行い、自立した外科医になるべく Informed consentの取り方を含めた修練を積む。この年は、修練カリキュラムの最後の年になり、将来心臓血管外科医として働く上での実践とも言うべき研修となる。研修医が行う術前検査、投薬、術後管理を統括的に把握し、指導医の確認のもとに研修医の指導をする。また4年間の研修期間中に興味あるいは疑問を持ったことを、学会発表、論文にまとめ自分の研究テーマの方向づけを決める。

評価

 4年間の修練で(1)医師としての成長、(2)基礎的知識、技術力の獲得、(3)学会活動を通してのナレッジマネジメント力や後輩医師に対する指導力、(4)外科専門医の獲得等を評価し、心臓血管外科専門医取得のために更に2年の修練ないし、スタッフ採用を決定する。