後期研修医

ストレートコース

漢方診療科〔スタッフ医:6名(うち指導医:5名)〕

DATA(2015年実績より)

  • 年間外来患者数:延べ約23,400名
  • 日本東洋医学会教育病院
  • 年間入院患者数:約110名

はじめに

漢方診療科

 医学部のコアカリキュラムに「和漢薬を概説できる」が盛り込まれて以来、医学部での漢方教育が始まり、また近年では漢方エキス製剤の普及により、多くの施設で漢方薬が処方されるようになってきている。しかし、臨床医の漢方研鑽の機会ほとんど無く、その点で、当科は外来診療から入院までの漢方診療を習得できる全国的にも稀な施設である。

研修の特徴

 下に記す当科「診療の基本方針」に基づく医療を実践でき、以下の点に重点を置いて、現代医学だけではなく漢方医学をも含めた総合診療の実践を目指す医師の養成を行う。

  • 陰陽虚実、気血水などの漢方医学の概念を理解する。
  • 四診と呼ばれる漢方診療独特な診療手技を習得する。
  • 漢方方剤の適応病態やその特徴を、関連の方剤とともに鑑別できる。
  • 漢方方剤の構成生薬の漢方薬理・現代薬理に習熟する。
  • 病態変化に応じた、逐機・持重と呼ばれる漢方方剤の応用ができる。
  • 附子・烏頭剤、丸・散剤などを安全かつ効果的に運用ができる。

疾患別診療実績(2015年実績より一部抜粋)

アトピー性皮膚炎 8名
関節リウマチ 4名
肺炎・喘息 10名
神経疾患 5名
腎尿路疾患 2名
精神科疾患 2名
循環器系疾患 1名
血液・造血器疾患 1名
消化器疾患 9名

-その他の実績については、こちらから-

当科の特徴

 当科は、煎じ薬などの生薬を用いた本格的な漢方診療を、外来だけでなく入院病棟を含め、健康保険で実施している。このような施設は全国でも希であるので、見学や臨床実習の申し込みには可能な限り対応している。尚、漢方医学的な考え方は、オーソドックスな『古方』を基礎としている。

 また、社団法人日本東洋医学会教育病院であり、指導医4名(田原 英一、矢野 博美、井上 博喜、吉永 亮)が常勤で在席しているので、当科における研修は、専門医資格認定申請のための単位として認められる。

診療の基本方針

  1. 漢方医学的な診察と考え方を基本に、漢方治療を第一選択とする。
  2. 現代医学的な診断は可能な限り明確にし、現代医学的な病態評価とその経過観察は十分に行う。
  3. 必要に応じて現代医学的な治療も活用する。総合病院であり、他科と連携可能。
  4. 外来、病棟、病理解剖まで、一貫して臨床に責任を持つ。

臨床研修の目的

 当科の特徴を活用し、診療の基本方針に基づく医療を実績できる医師の養成。現代医学だけではなく漢方医学をも含めた総合診療の実践をめざす。
あるいは、現代医学的な診療の中で、漢方が活用出来る部分や活用方法を体験する。

臨床研修パターン

後期研修医
飯塚病院後期研修制度における後期研修医。選考がある。
(現在当科では、卒後3年目で希望する方は少なく、各専門科習得後に希望する例が多い)
実習医
飯塚病院実習規約による実習医。正規職員と同様の規則に基づき診療できるが、無給。

※尚、見学は随時相談に応じます。後期研修医・実習医を希望される方は、応募前に見学が必要です。

研修内容

調剤見学および実習
 最初の1週間は主に薬局で生薬に触れ、調剤実習を行ないます。
生薬とはどんなものか?どのように調剤されるのか?
実際に生薬に触れ学ぶことも漢方診療を行なう上で大切なことです。
外来実習
 漢方の診察方法、漢方的な病態診断、漢方処方の運用などについて実際の診療を見学しながら習得します。それを実践するために、およそ3ヶ月後(習熟度により異なる)には、実際に漢方の外来診療を行ないます。
病棟実習
 重症患者や難治性疾患に対する漢方の入院診療を学びます。
本格的な漢方の入院治療を行なっている施設は全国的にも少なく、当施設の大きな特徴といえます。
指導医とともに入院患者の治療にあたります。多数例より、少数を重点的に経験することに主眼を置いています。
部長回診
 毎週月曜日と木曜日に行ないます。
病棟カンファレンス
 入院患者の検討会を毎週月曜日に行ないます。
勉強会
  1. 朝の勉強会
    毎朝、漢方の重要な古典(傷寒論、金匱要略、類聚方広義)を輪読し解説します。
  2. 漢方基礎の勉強会
    毎週火曜日に漢方の基礎についてテキストを用いて勉強します。
  3. 生薬の勉強
    第4木曜日、漢方薬局の薬剤師、生薬メーカーの方も参加し、生薬の産地、生産状況、薬効と臨床応用について、また、実際の試飲も行い勉強します。
  4. 麻生飯塚漢方研究会
    第3木曜日、院外の先生も参加し、類聚方広義の解説と症例検討を行ないます。
  5. その他の研究会
    筑豊漢方研究会(月1回):漢方基礎講座と症例検討会。
    院内医師・薬剤師向け勉強会(月1回):症候別の処方解説。
学会参加と演題発表
 下記学会に参加し見聞を広めるとともに漢方の演題発表を行ないます。
  • 日本東洋医学会総会(年1回)
  • 日本東洋医学会九州支部総会(年1回)
  • 和漢医薬学会(年1回)
  • 漢方治療研究会(年1回)
  • 国際東洋医学会(2年に1回)