後期研修医

ローテートコース

総合診療科・消化器内視鏡コース

後期3年次に内科認定医、消化器内視鏡専門医受験資格取得可(年次以外)

はじめに

 当コースでの3年間は、総合診療科で内科の基礎力となる診断学・症候学や、軽症~重症疾患の全身管理を学び、消化器内科で内視鏡手技を主とした専門知識を学ぶことが出来ます。

 当コース修了後、ホスピタリスト(病院総合医)として働く上で一つ得意分野があることや、内視鏡が出来ることは必ず役に立ちます。また消化器内科としては、日々の診療でしばしば出会う様々な合併症や重症例などに不安なく対処できることは大きな武器になります。

総合診療科と消化器内科をローテートするプログラム

【必 修】
総合診療科/消化器内科
(他施設での初期研修修了者は3ヶ月間の救急部ローテーションも必修)
【期 間】
原則3年間
【その他】
卒後3年次以降の方も応募可能です。

総合診療科・消化器内視鏡ローテーションスケジュール例

1年次
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • ER(※)
  • 総診
  • 消内
  • 消内
  • 総診:総合診療科 外来・病棟
  • 消内:消化器内科 内視鏡センター
2年次
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 消内
  • 消内
  • 選択
  • 総診
  • 消内:消化器内科 内視鏡センター
  • 選択:【選択】総合診療科または集中治療
  • 総診:総合診療科 外来・病棟
3年次
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 消内
  • 消内
  • 選択
  • 総診
  • 消内:消化器内科 内視鏡センター
  • 選択:【選択】総合診療科または集中治療
  • 総診:総合診療科 外来・病棟

※他施設での初期研修修了者は初年度の3ヵ月のみERローテート

本コースの目標

  • 中~大規模の総合病院で活躍できるホスピタリスト(病院総合医)または消化器内科医として幅広い知識と手技を習得する
  • 本コース修了者の将来像として
    [1] 内視鏡のできる消化器系に強いホスピタリスト
    [2] 内科救急全般に親和性の高い消化器内科医
    のどちらでも巣立っていけるようになるのが目標。

本コースの対象医師

  • 消化器・内視鏡という得意分野を持った、救急初療~内科重症まで対応できるホスピタリストになりたい方
  • 消化器内科医志望で、内科初療~病棟急変・重症例にも不安なく対応できるスキルを身につけたい方
  • 将来開業や僻地・離島医療を考えており、内科全般のスキルに加えて内視鏡手技を身につけたい方

本コースを検討されている若手医師の皆様へ

 内科医として仕事をしていく上で、各専門内科に進んだ後も、しばしばその専門以外の疾患を診る機会があります。

 例えば消化器内科では、腹痛で外来初診した症例が実は消化器疾患ではなかったということは珍しくありません。また入院では心不全や腎不全を基礎疾患に持つ患者の上部消化管出血・ショックを担当したり、別の疾患で入院中の患者が発熱し、原因検索に手を焼くこともあるでしょう。

 本コースでの3年間は、総合診療科で内科の基礎力となる診断学・症候学や、軽症~重症疾患の全身管理を学び、消化器内科で内視鏡手技を主とした専門知識を学ぶことが出来ます。

 本コース修了後、ホスピタリスト(病院総合診療医)として働く上で一つ得意分野があることや、内視鏡が出来ることは必ず役に立ちます。また消化器内科としては、日々の診療でしばしば出会う様々な合併症や重症例などに不安なく対処できることは大きな武器になります。

 初期研修修了後そのまま各専門科に入るのと比較すると多少回り道と感じられるかもしれませんが、若いうちしかなかなかできないこの3年間の自己投資が、今後医師として何十年と働いていく上での大きな財産になると思い、このコースを立ち上げました。

3年間のコース修了で取得準備のできる資格

下記の2つの専門医について症例数等の専門医試験受験資格の条件はほぼ達成可能

  • 日本内科学会総合内科専門医
    日本内科学会認定医制度教育病院、UPMC指導医招聘プログラム
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
    日本消化器内視鏡学会専門医制度指導施設、内視鏡指導医5名在籍(学会指導医2名、学会専門医3名)(2016年4月現在)

コースの概要

  • 原則3年間で1セットのコース
    希望により1~2年間のみの参加も考慮するため要相談
  • 3年間で総合診療科(外来・病棟+希望者は集中治療)と消化器内科をローテートする

【総合診療科】6ヶ月/年×3年間

〔外来〕

 主に内科初診で他科への紹介状のない方や、総合診療科への紹介患者を担当するため、非常に多岐にわたる主訴の診察をします。その後外来で通院治療を行い、必要があれば各専門科に紹介します。夜間に救命センターを受診しその後のfollow upが必要な場合も、多くは総合診療科外来が担当します。2015年の初診患者は2,308名/年(192名/月)、再診も含めた外来受診患者は15,392名/年でした。後期研修医の担当する外来枠は基本的に週1回です。常に総合診療科スタッフのバックアップが付き、毎日外来症例に対するフィードバックを行っています。尚、夜間帯の救命センターの診療も年間を通して行います。

外来初診における頻度の高い主訴
  症候 件数
1 A03 発熱 581
2 D06 その他の限局性腹痛 481
3 N01 頭痛 460
4 N17 めまい/めまい感 341
5 A04 全身脱力/倦怠感 281
6 D09 嘔気 281
7 R05 咳 271
8 R21 咽頭の症状/愁訴 251
9 N06 その他の知覚障害 215
10 L14 下腿/大腿部の症状/愁訴 203
  症候 件数
11 D11 下痢 181
12 D10 嘔吐 156
13 L03 腰部の症状/愁訴 154
14 T03 食欲不振 151
15 B29 血液と免疫機能の症状/愁訴 148
16 L02 背部の症状/愁訴 134
17 A11 その他の胸痛 131
18 A29 全身症状/愁訴、その他 118
19 R02 息切れ/呼吸困難 118
20 A08 腫脹 111

2015年1月~12月 外来初診患者 延べ人数 4,104名

〔病棟〕

 総合診療科の入院症例は内科全般で非常に多岐にわたっています(下記の主な担当症例参照)。
 入院経路は救命センター経由が最多で、未診断の症例やMulti problemで全身管理を必要とする症例が多い傾向です。2015年の総合診療科入院症例数は2,133名/年でした。
 病棟担当は初期研修医・後期研修医・総合診療科スタッフの3名1チームが基本で、年間を通して常に8~10チームで入院症例を担当しています(1チームが同時に受け持つ担当患者数は平均10名前後)。本コースの参加者は3名チームの中堅として、病棟診療の中核を担う役割です。
 毎朝8時から行われる症例カンファレンスでは、各後期研修医が持ち回りで週1回司会進行役を務めます。病棟業務では初期研修医の指導を行いながら、総合診療科スタッフからのフィードバックを受け、毎日夕方にはチームで振り返りミーティングを行う屋根瓦方式です。週末はチーム内での引継ぎを行い、月に数回は完全な休日を取るようにしています。

主な担当症例
  • 胆管炎・胆嚢炎、イレウス、急性膵炎、上下部消化管出血
  • 急性呼吸不全(肺炎など)、急性・慢性心不全
  • 糖尿病緊急症(DKA、HHS)、電解質異常(Na、K、Ca、Mg、P)
  • 各種感染症(急性腎盂腎炎、蜂窩織炎、感染性心内膜炎、骨髄炎、化膿性関節炎、壊死性筋膜炎など)
  • 急性薬物中毒、アルコール関連疾患(アルコール性ケトアシドーシスなど)
  • その他Multi problemの症例 など
3年間での到達目標(総合診療科外来・病棟)
  • 知識面…若手医師の勉強会の主催者になれる
  • 臨床面…どの規模の施設でも内科系後期研修医の指導ができるようになる
外来・病棟診療での研修内容
  • 救急・内科外来での症候別の鑑別診断トレーニング
  • 身体所見の感度・特異度を意識した取り方と解釈
  • 抗菌薬と感染症のマネージメント
  • 検査値の読み方、酸塩基平衡、電解質、輸液管理などを基本から応用まで根拠を押さえた指導
  • 総診で担当する内科症例のブラッシュアップ
    (診断~治療までの最新のスタンダードをポイントとなる文献まで押さえて勉強する)
  • 診断不明や治療法の選択の根拠に迷うなど、問題がある時の解決法
    (PubMed、Up to Date、MD consult等の活用法、文献の読み方、推薦教科書の紹介等)
  • カンファレンスでの司会の能力
〔集中治療〕※希望者のみ選択

 総合診療科所属の内科系集中治療チームです。集中治療へのローテートは希望者のみ、毎年1ターム(3ヶ月間)となります。
 本コースに集中治療のローテートを組み込んだ理由は、将来集中治療医になる方を対象とする為ではありません。今後内科医として働いていくうえで必ず出会う病棟急変や重症例を担当したときに、昇圧剤、鎮痛・鎮静剤、人工呼吸器、CVカテーテル・動脈ラインの挿入や抗菌薬の選択など、自信を持って対処できるようになることが目的です。
 これらについてEBMに基づき、その根拠・ポイントとなる文献までを押さえた指導を行います。数ヶ月に数例ずつ重症例を担当しその都度勉強していくよりも、まとめて3ヶ月みっちりと重症例を担当したほうが、身につく速度が速くなります。もちろん夜間・休日は引継ぎ制をとっているため3ヶ月ずっと24時間張りつかなければいけないなどということはなく、交代で夜間や休日は完全な休みを取るようにしています。

主な担当症例
  • 各種感染症による敗血症性ショック
  • 重症呼吸不全、ARDS
  • 中毒重症例(有機リン・三環系・リチウム・CO中毒等)
  • 重度の低体温・熱中症
  • 糖尿病緊急症(DKA・HHS)
  • 重症急性膵炎
  • CPA蘇生後
  • その他バイタルの崩れたmulti problemの症例
到達目標(総合診療科集中治療)
自立して施行できるようになる必須項目
  • ショック患者の立ち上げから病棟管理まで
    (ショック、呼吸不全、心不全、腎不全など内科系重症例)
  • 挿管と人工呼吸器管理
  • 昇圧剤や鎮痛・鎮静剤の使用法
  • CVカテーテル・動脈ライン挿入
  • エコーガイド下穿刺
  • トロッカー挿入と管理
  • 気管支鏡での採痰と気管支鏡下挿管
希望者のオプション項目
  • 気管切開、低体温療法、CRRT など

※詳細は総合診療科のプログラムページもご覧ください

【消化器内科・内視鏡センター】6ヶ月/年×3年間

 当院内視鏡センターの年間症例数は20,000件前後で、通常のスクリーニングから経鼻内視鏡、ERCP、静脈瘤治療、上下部ESD、EUS-FNA、小腸内視鏡などほぼ全ての手技を充実した設備下で施行できます。なおESDについては当院で開発された把持型はさみ鉗子(Clutch Cutter®)を用いたESDの臨床研究を行っています。
 本コースを3年間修了した場合の一人当たりの平均経験症例数は、上部内視鏡1,500~2,000例、下部内視鏡800~1,000例、治療内視鏡150~200例程度が目安となります。もちろん本人のやる気があればより多くの症例を経験することが可能です。尚本コース参加者は総合診療科ローテート中も週1回の内視鏡センター勤務を継続します。
 指導医数は5名(学会指導医2名、学会専門医3人)在籍し、全ての内視鏡検査のレポートは、専門医によるマンツーマンの指導を受けて作成することが義務付けられています(所見の読み方、用語の正しい使い方、写真の取り方や処置のコツ等を症例毎に指導。当院消化器内科のユニークな指導システムです)。
 従って初期研修修了後すぐ本コースに入り、医師3年目~5年目まで研修した場合、目安となる到達レベルは医院開業や小~中規模の内視鏡センターで必要とされる一通りの手技、救命センターなどで必要とされる一般的な緊急内視鏡について、自立して施行できるレベルです。またコース修了後、卒後6年目の医師として他施設の消化器内科に所属する場合も特に不安なく働けると思います。

3年間での到達目標(消化器内科・内視鏡センター)
自立して施行できるようになる必須項目
  • 上下部内視鏡でのスクリーニング
  • 胃瘻造設と管理
  • 上下部内視鏡でのポリペクトミー
  • 緊急内視鏡(各止血術、SBチューブ、異物除去など)
  • 経鼻内視鏡でのイレウスチューブの挿入
  • 経肛門イレウスチューブの挿入
上級医監督下で施行できる手技
  • 静脈瘤治療、ERCP、EUS、上下部ESD、ダブルバルーン小腸内視鏡 など
2015年 内視鏡センター症例実績表
診療内容 件数
上部内視鏡検査(総数) 9,551
下部内視鏡検査(総数) 4,907
経鼻内視鏡検査 1,273
EUS(上部) 1,360
EUS(下部) 345
EUS-FNA 102
EMR(上部) 4
EMR(下部) 356
ESD(上部) 134
ESD(下部) 75
ポリペクトミー(上部) 1
ポリペクトミー(下部) 21
診療内容 件数
緊急内視鏡検査 526
内視鏡的食道静脈瘤治療 323
内視鏡的止血術 249
内視鏡的異物摘出術 13
内視鏡的消化管狭窄拡張術 41
経皮内視鏡的胃瘻造設術(交換) 27
ERCP・EST 717
   
小腸内視鏡 42
カプセル内視鏡 23
その他の内視鏡  
総件数 20,264
本コースに3年間在籍した場合の一人当たりの平均経験症例数
上部内視鏡 約1,500~2,000例
下部内視鏡 約800~1,000例
治療内視鏡 約150~200例

※詳細は総合診療科のプログラムページもご覧ください

コース内容詳細

  • 所属は総合診療科後期研修医
    待遇などはすべて総合診療科後期研修医に準ずる
  • 初期研修を修了した医師であれば卒後何年目でも参加可能
  • 原則3年間で1セットのコース
    希望により1~2年間のみの参加も考慮するため要相談
  • 1年を3ヵ月毎の4クールに分け、毎年総合診療科を2クール、消化器内科を2クールローテートする
  • 総合診療科ローテート中の集中治療チームへの参加は希望者のみとする
  • ローテーション期間はその年々の各科後期研修医の採用人数の増減に影響されない
    本コースに所属する限りは毎年総合診療科2クールと消化器内科2クールのローテーションとなる
  • 月数回の内科・救命センター院内待機義務は総合診療科後期研修医に準ずる
  • 初回の消化器内科ローテートは2クール連続とする(1クール区切りでは上達効率が悪いため)
  • 初回の消化器内科ローテート後は総合診療科ローテート中も週1回の当院内視鏡センター勤務を必修とする
  • 一定の内視鏡スキルを身につけたと認定されたものは、消化器内科ローテート中は、消化器内科所属の後期研修医と同程度の頻度で当院救命センターの内視鏡院外待機に参加する
  • 資格取得の必須項目でもある、日本内科学会と日本消化器内視鏡学会の学会発表は、最低各1回は義務とする
  • 希望者には医学論文(和文または英文の症例報告、原著論文)の執筆指導を行う

コース修了後の進路

 3年間のコースを修了した方で、希望者は総合診療科や消化器内科スタッフ医への採用もあります。

【コース名】総合診療科・消化器内視鏡コース
【プログラム顧問】総合診療科 部長 井村 洋
【プログラム顧問】消化器内科 部長 赤星 和也

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