大腸がん

どんな病気?

大腸は口から肛門までの食べ物が通過する管(消化管)の一部で、結腸と直腸に分かれます。がんは大腸のどの部位にも発生します。がんは大腸の中の粘膜から発生し、徐々に大腸の壁に深く侵入していきます。進行のスピードはゆっくりですが、進行すると肺や肝臓など、他の臓器に転移していきます。

がんを部位別に見た場合、女性の死亡数が最も多いがんが大腸がんです。また、女性がかかるがんとしては乳がんに次いで2番目に多く、女性にとって最も身近ながんのひとつです。年齢別に見ると、30代から大腸がんにかかる人が増え始めます。

どんな症状?

早期の段階ではほとんど症状はありません。進行するにつれて、便に血液が混ざったり(便潜血、血便、下血など)、便秘や下痢、便が細くなる、便通異常などが出現したりします。増悪すると、食欲低下、全身倦怠感、体重減少など種々の症状が出現します。

飯塚病院での治療

がんの進行度によって、治療方法が変わります。

早期の段階では、主に内視鏡治療が行われます。内視鏡(先端にカメラのついた細い管状の治療器具)を肛門から挿入し、大腸の内側からがんを切除します。飯塚病院消化器内科では、富士フイルム社と共同で内視鏡手術用の処置具「クラッチカッター」を開発し、この器具を用いた治療により高い手術成績をおさめています。

外科的手術には、腹腔鏡手術と開腹手術があります。腹腔鏡手術とは、おなかに1センチ前後のきずを4~5箇所つくり、細長い棒状の医療機器(腹腔鏡;カメラ内蔵)を挿入して、モニターでおなかの中を見ながら行う手術です。手術による切開のきずが小さく痛みが軽減でき、入院期間も短くなります。術後の傷跡もあまり目立ちません。当院でも適応のある症例には積極的に取り組んでいます。一方、開腹手術は皮膚切開を行う手術です。

飯塚病院での大腸がん手術件数は非常に多く、「病院の実力 2015」(読売新聞医療部)の集計では、九州で5番目にランクされています。

これらの内科的・外科的手術だけでなく、抗がん剤治療や放射線治療も行っています。患者さん個々の病状などに応じて、複数の治療を効果的に組み合わせた「集学的治療」を行っています。集学的治療をより円滑に行うために、外科・消化器内科・病理科・緩和ケア科などの医師、看護師、薬剤師などが集まって、患者さん個々の情報を共有したり治療方針を検討したりする「キャンサーボード」を毎週開催しています。

早期発見・早期治療のために

早期発見のため便潜血検査が検診として行われています。異常があれば、精密検査(大腸カメラほか)へと進むこととなります。「大腸がん」と診断が確定したら、どのような治療が望ましいか、必要な検査が行われます(進行度の確認)。

ドクターからのアドバイス

がんの中では、女性の死亡原因としてもっとも多いのが大腸がんです。当院でも大腸がんの患者さんの手術を行うことが多く、その症例数の多さは九州で5番目です。また外科での手術だけでなく、内視鏡治療や放射線治療、化学療法など、患者さんにとって最適な組み合わせでの治療をチームで行っています。当院には「がん相談支援センター」という窓口がありますので、大腸がんの治療が必要な患者さんはぜひこちらへご相談ください。