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広報誌「飯塚病院だより」 飯塚病院だより No.119

【特集】みなさんと一緒に地域医療を守りたい
~当院の救急医療について「救命救急センター」と「地域周産期母子医療センター」~

 最近の新聞やTVでは、緊急時の医療が多く取り上げられます。ケガや急病の際の救急車の受け入れ先医療機関が足りない、急変した妊婦さんの受け入れ先が足りないといったことが報道されています。
 飯塚病院は、筑豊地域の「救命救急センター」です。また、「地域周産期母子医療センター」でもあります。飯塚病院は、この筑豊地域の救急医療に関して、とても大きな役割を担っています。今号では、この「救命救急センター」と「地域周産期母子医療センター」について取り上げてみたいと思います。

救命救急センター:地域全体で支える救急医療
 飯塚病院の救命救急センターは、筑豊地域の救急患者すべてに対して、365日24時間体制で救急医療を提供しています。 2007年(平成19年)に飯塚病院が受け入れた救急車は7112件で、その内の約5000件が飯塚地区消防本部からの搬送でした。これは、飯塚地区の救急搬送の半分にあたります。
 下の図は、2003年(平成15年)~2007年(平成19年)の飯塚病院 救命救急センターの利用状況を示したものです。

救命救急センター利用状況
<1次患者>
  軽症の患者さん
 (帰宅できる患者さん)
<2次患者>
  中等症の患者さん
 (一般病棟に入院する患者さん)
<3次患者>
  重症の患者さん
  (集中治療室に入院する患者)

 図をご覧いただければお分かりになるように、救命救急センターの利用者数は年々増えています。すでに、多数の救急搬送の処置に追われてスタッフの手が足りなくなり、救急車を受け入れたくとも、受け入れられないという事態が、しばしば生じつつあります。
 こうした事態をできるだけ少なくするために、飯塚病院では「地域連携型の救命救急センター」を目指しています。
 救急車を運用する飯塚地区消防本部や、地域のほかの救急医療機関と十分な連携をとり、地域全体の相互のサポートによって、円滑な救急医療が提供できるように努めています。こうすることで、それぞれの患者さんにとって適切な処置を、できるだけ素早くおこなえるようになるわけです。

地域周産期母子医療センター:筑豊地域の赤ちゃんとお母さんを守る
 飯塚病院は「地域周産期母子医療センター」です。「周産期」とは、お産前後の時期を指します。産科と小児科(特に新生児科)の両方のケアが必要となる時期です。「周産期母子医療センター」とは産科と小児科が連携して周産期を集中的にケアできる体制が整った施設です。飯塚病院には、南病棟2Fに新生児部門が、東病棟4Fに産科部門が設けられています。
 飯塚病院は、筑豊地域で唯一ハイリスクなお産(母子の生命や健康に重大な影響を与える可能性の高いお産)に対応可能な施設となっています。

地域周産期母子医療センター(新生児部門)
<保育器の中で小さな命ががんばっています>
地域周産期母子医療センター(新生児部門)
地域周産期母子医療センター(産科部門)
<快適な出産となるよう環境に配慮してい
地域周産期母子医療センター(産科部門)

 お産の際に赤ちゃんとお母さん両方をケアするのは当然です。ですが、「産科の先生はいるけど、難しい赤ちゃんをケアできる小児科の先生がいない」「小児科の先生はいるけど、産科の先生がいなくてお産ができない」など、ふたつの診療科の協力が必要な時に、それができない場合があります。
 お産とは24時間待ったなしの救急医療です。お産は「赤ちゃん、お母さんともに無事健康で当たり前」と思われがちですが、お産はみなさんが考えられている以上に命の危険をはらむものです。
 「産科領域における医療事故の解析と予防対策」(厚生労働省研究班)では、お産の250件に1件が命に関わる危険なお産であった可能性があると報告されています(2005年の分娩数データに基づく)。
 飯塚病院は、地域周産期母子医療センターとして、当院の産科と小児科、さらには地域の産婦人科の連携により、筑豊地域のハイリスクなお産に対応しています。

 今号では救命救急センターと地域周産期母子医療センターを取り上げました。
 救命救急センターでは、軽症の患者さんの利用が年々増えています。もちろん、調子がおかしい・熱がある・痛みがあるなどで不安をおぼえられた場合は、ぜひ受診ください。ですが、救命救急センターにも限界があるということをご理解ください。昼間の外来受診が可能な場合は、ぜひそちらをご利用いただきますようご配慮ください。
 同様に、地域周産期母子医療センターにも限界があります。筑豊地域のお産を取りまく状況は変わりつつあり、お産ができる施設が減ってきています。
 筑豊地域の特徴としては、未成年者の妊娠が多い(全国平均1.46%に対して当院は4.15%)ということがあります。また、妊婦健診を受けずに突然来院してお産にいたる「飛び込み出産」が多く(全国平均0.5%に対して当院は3.6%)、増加傾向にあるようです。さらに全国的な特徴として、高齢でのお産が増えているということもあります。
 お産は、「赤ちゃん、お母さんともに無事健康で当たり前」というものでは決してありません。ハイリスクなお産を避けるためには、きちんと妊婦健診を受けることが重要です。


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