飯塚病院 漢方診療科のページ


012.知母(チモ):生薬シリーズ

←前の生薬へ 目次へ戻る 次の生薬へ→

 知母は中国北部の自生するユリ科の多年草であるハナスゲ(Anemarrhena asphodeloides)の根茎です。知母にはステロイドサポニンのチモサポニンやキサントン配糖体のマンギフェリンなどが含まれ、抗菌・解熱・血糖降下作用などが認められています。漢方医学的には、清熱瀉下・滋陰清熱、つまり熱を冷ましながら潤いを与える作用を有しているため、リウマチや変形性関節症に対する桂枝芍薬知母湯、アトピー性皮膚炎に対する消風散、疲れて眠れないときの酸棗仁湯などに含まれています。

 このように清熱と滋潤を兼ねる愛すべき知母の名の由来は、昔身寄りのない薬草採りの老婆が、自分を母親のように親切に助けた木こりの夫婦に、「母の心を知る息子に巡り合えた」と言ってハナスゲの根が薬草であることを教えたことに由来すると言われています。

 私の母親も65歳を超え、膝が痛くて歩きにくそうになってきました。そろそろ母の心を知る知母が含まれた漢方薬を送って、親孝行をしようかなと考えています。
知母(チモ)の写真 知母(チモ)の写真

掲載日:2010年5月17日

飯塚病院 漢方診療科
 福岡県飯塚市芳雄町3-83  TEL:0948-22-3800 / FAX:0948-29-8075