飯塚病院 漢方診療科のページ


【35本目】冷えに効果的な「附子」:コラム・漢方道場

←前のコラムへ 目次へ戻る 次のコラムへ→

 季節の移り変わりは旧暦が参考になります。1月26日は旧暦の元日に当たり、暦の上でも春になります。とはいえ、寒い冬でした。いえ、まだ寒さを実感している方も多いでしょう。

 冷えにはトリカブトを熱処理した「附子(ぶし)」を含む処方が効果的です。トリカブトは元々毒ですので、注意が必要なのですが、冷えの多い現代人にはなくてはならない生薬です。

 患者さんは寒さのあまり重ね着で、それは十二単(じゅうにひとえ)か玉ねぎか。体中にカイロを張り付け、靴下は2枚履き、おなかの診察をしようとすれば、服をめくって一種の発掘作業です。冬季は附子を増量することが多いのですが、これからは、気候の変化と症状をにらみつつ減量する必要があり我々漢方医の腕の見せどころです。

 50歳代の女性。冷水などの刺激で指先が真っ白になるレイノー症状で来院しました。当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を処方したところ、夏の冷房は乗り切りました。ところが、冬になってやはり白く冷たくなるとのこと。附子を加えたところ、冷えは緩和し、夜、トイレに起きると、その後、足が冷たくなって眠れなかったのも良くなりました。

 なお、旧暦のカレンダーによると、今年の夏は猛暑です(多分)。お大事に。

読売新聞福岡県版(2009.01.25付)

飯塚病院 漢方診療科
 福岡県飯塚市芳雄町3-83  TEL:0948-22-3800 / FAX:0948-29-8075