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【2本目】「実」と「虚」診察で見分ける:コラム・漢方道場

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 息子がサッカーの練習に行っており、自宅にボールが転がっています。ボールも時々空気圧を調整しないと、硬かったり軟らかかったり様々です。ボールで漢方を考えてみましょう。

 空気の入りすぎたボールは漢方では「実」という過剰な状態です。極端な場合は爆発する危険さえあり、空気を抜くのが治療になります。一方、フニャフニャのボールは「虚」の状態で空気を補うのが治療です。漢方医学でも中庸が良くて、過剰や不足は問題となります。

 便秘を例にとりましょう。一人は見るからに体力のありそうな方です。便は硬く、臭(にお)いも強いそうです。この場合は充実しすぎた反応を瀉下(しゃげ)作用のある大黄(だいおう)の入った方剤、例えば調胃承気湯(ちょういじょうきとう)などで下すと便通が良くなります。一方、一見きゃしゃな方、こちらはコロコロした便で、便臭は強くありません。この場合には例えば桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)などの、消化管の働きを調和させる芍薬の入った方剤を投与すると便通が良くなります。ところが、一見「実」に見える相撲の力士でも「虚」の状態を呈することもあり、診察所見が大切です。同じ便秘でも虚実を間違えると、逆効果となってしまいます。

読売新聞福岡県版(2008.01.29付)

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