008.皮膚筋炎に原因不明の紅斑を合併した症例:漢方アラカルト
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皮膚筋炎は膠原病の一つで特徴的な皮膚病変に加え骨格筋を系統的に侵す原因不明の全身性炎症性疾患です。皮膚筋炎のほうは検査上も改善したものの、原因の特定できなかった難治性の紅斑を合併した症例をご紹介します。
症例は18歳の女子学生で、平成X-2年に皮膚筋炎に罹患しました。同年11月に某大学付属病院内科に入院し、ステロイド治療で改善し、その後も検査結果は正常化しておりました。
ところが、平成X年3月に紅斑が顔面、手に出現するようになりました。同大学付属病院の皮膚科では、「皮膚筋炎による紅斑と考えられ、検査値も正常化しているから自然に良くなるだろう」と言われ経過をみていましたが、5月には頭部、背部と範囲が広がって行きました。7月にもう一度同皮膚科を受診したところ、「脂漏性湿疹か乾癬だろう」といわれ、タカルシトール(ボンアルファ)軟膏を処方されたが改善しませんでした。8月に再診したところ「原因はよく分からないが、必ず良くなるから」といわれステロイド軟膏などの治療を受けたものの全く改善しませんでした。「もう一生この皮疹が改善しないのではないか」と悲観し、やがて人前に出るのを恐れ、登校拒否はもちろんのこと外出もしなくなり、部屋に閉じこもるようになりました。
患者と家族の強い希望もあり、同年9月7日当科に紹介されました。帽子を深々とかぶり、マスクで顔を覆い隠すようにして来院しました。帽子とマスクを取ってもらうと、紅斑が特に頭、顔、首全体を覆っており、若い女性にとっては、さぞかし精神的ショックは大きかっただろうと思われました。漢方的には、顔には熱がこもっている(血熱)感じで、皮疹は暗赤色でかさつき(血虚)がつよく、温清飲が適応と考え煎じ薬で処方しました。
2週間後には、顔面の一部に白い正常な皮膚が見られるようになり、2ヶ月後には、首の紅斑はほぼ消失し、顎と額に残すのみとなりました。そのころから、笑顔も見られるようになり、通学を再開、外出もするようになったとのことです。現代医学は急速に発展進歩を遂げましたが、依然として、原因が特定できず診断がつかないことも少なくありません。このような場合、現代医学ではしばしば対症治療のみにたよらざるを得ないことがあります。こんなときに、全く見方を変えて、東洋医学的な診断から漢方方剤を服用することによって改善することもよく経験いたします。
(古田) |
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