| 放射線検査による被曝と影響 病院や医院、診療所では、病気を見つけるためにX線を使いますが、同じ被曝でも原子炉事故時の被曝と違い「安全である」と言えます。 臨床的に放射線を被曝しても、なんら障害の症状が現れないという線量は、250ミリシーベルトです。ただし、この量は、全身が一度に受ける量です。同じ線量でも分割したり、身体の一部被曝のばあいは、障害の程度はもっと軽くなります。 X線検査の場合は、目的がはっきりしていますので、胸部とか腹部とかに限られた部分だけの局所被曝なので使用する線量も問題にならないくらい少なく、胸部の場合を例にとりますと約0.1ミリシーベルトの局所被曝です。ですから後になって現れる障害をも含め心配ないと言えます。 |
| 病院などで行われているX線撮影時の表面線量の例 |
| 部 位 | 厚 さ(cm) | 表 面 線 量(mSv) |
| 胸 部(正面) | 18〜22 | 0.06〜0.14 |
| 胸 部(側面) | 25〜30 | 0.17〜0.29 |
| 胸 部(断層)(1曝射につき) | 18〜22 | 0.43〜0.52 |
| 腰 椎(正面) | 16〜20 | 0.75〜1.15 |
| 腰 椎(側面) | 22〜30 | 2.65〜3.53 |
| 胃などの消化管(1枚につき) | 18〜20 | 2.2〜2.4 |
| 透 視(1分につき) | 15〜25 |
| ※患者さんの被曝線量は、(1)被写体の厚さ、(2)X線管電圧・管電流、時間、距離、(3)
フィルム、増感紙など感光材料の種類、(4)濾過板や照射野の大きさ、など多く
の因子によって多少異なります。 多量の放射線を受けた人について、100人に1人という程度の少ない割合ですが、放射線被曝が原因で癌になったという事実があります。この量は、一般に使用されるX線検査の線量に比べて1,000倍〜10,000倍の量です。 |
| 人体に多量の放射線を受けた時の早期症状 |
| 線 量(mSv) | 部 位 | 症 状 |
| 250 |
全 身 | 障害の症状が現れない線量 |
| 500 | 全 身 | 白血球減少 |
| 4,000 | 全 身 | 1ヶ月以内に50%の人が死亡する線量 |
| 3,000〜5,000 | 皮 膚 | 脱毛、紅斑 |
| 3,000〜5,000 | 生 殖 腺 | 永久不妊 |
| 7,000以上 | 全 身 | 1ヶ月以内に100%の人が死亡する線量 |
| 放射線が胎児に与える影響 |
| 放射線が胎児に与える影響は、受精後から4ヶ月までが、発生異常を生じさせる可能性が高い時期で、5ヶ月以後ではずっと低くなります。では、どの位の放射線量かと言いますと、100ミリシーベルトをこえる量と言われています。 病院で検査に使用される放射線量は、非常に少なく胎児に対しての影響は、胸のX線写真ですと約1,000回、また、腹部ですと約100回を一度に受けないと100ミリシーベルトの量にはなりません。 このように一般検査による影響で奇形等の発生する可能性は殆どありません。しかし、検査によっては線量がふえる場合も考えられますので妊娠の可能性がある場合にはよく相談(医者等)してから、検査を受けるようにしましょう。一般に妊娠可能な女性のX線検査は、月経開始後10日以内がよいとされています。(この期間は妊娠していないことが確実なためです。) 放射線による不妊の可能性は、生殖腺(卵巣、睾丸)がどのくらい放射線を受けたかに関係し性別や年齢によっても異なります。 女性の場合には、3,000〜5,000ミリシーベルト、男性だと2,500ミリシーベルトの多量の放射線を一度に受けると子供ができなくなる可能性があると言われています。ところで、病院で使用される放射線量は、非常に少なく骨盤のX線写真で約2.5ミリシーベルトですので、全く心配しなくても良いことがおわかりになると思います。 |
![]() トップ |