飯塚病院 中央検査部

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超音波検査

超音波検査とは

 人の耳に聞こえる音の範囲は、およそ20Hz~20000Hzと言われています。これより周波数が高く、人が聞くことを目的としない音が超音波と呼ばれています。超音波検査は、この超音波を利用して体外から体内の情報を得ようとする検査です。みなさんは「やまびこ」を経験されたことはありますか?「やっほー」と叫ぶとその自分の声が反射して聞こえてきます。

 このやまびこの原理と同じで、体外から音波を発し、それが体内の臓器で反射されます。この反射された音波を取り込み、画像化したものが超音波(エコー)検査です。超音波検査は、前述したように音を利用していますので、体への負担は少なく、検査時に痛みを伴いません。また、X線等の検査と異なり、放射線を利用しませんので、被曝が少なく、繰り返しの検査が可能です。検査には、検査部位に合った小さな機械を用います。

検査の項目

  • 腹部:お腹が痛い場合や血液検査で異常が見つかった場合に、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、膀胱、前立腺、子宮や卵巣などの大きさや炎症の有無、腫瘤・腫瘍の有無、形態異常・結石の有無などを調べます。
  • 乳腺・甲状腺:腫瘤の有無を調べます。
  • 血管:頚動脈や下肢血管検査があります。頚動脈検査ではプラークの有無や血管の狭窄の程度などを調べます。下肢動脈検査では血管の狭窄の有無など、下肢静脈検査では血栓の有無などを検査します。
  • 心臓:心臓の形態や動態、機能、血流情報を非侵襲的に調べることができます。
  • その他:皮下腫瘤や関節を観察します。

検査を受ける際の注意点

 検査内容によっては、絶食が必要な場合があります。(このような場合、特に卵類や乳製品は控えていただきます。)また、検査のために、尿を溜めていただくこともあります。

絶食が必要な理由
 腹部を検査するときは、基本的に絶食が必要です。特に胆道系を検査するときは必ず絶食をしていただきます。食事すると胆嚢は胆汁を出し収縮してしまうので、超音波検査での観察が困難になります。また、食後は胃の中にたくさんの食物残渣があるため、胃の周囲にある臓器(特に膵臓など)が観察困難になります。
深呼吸が必要な理由
 腹部を検査するときは、深呼吸や息止めをお願いしています。大きく息を吸ってもらうことで肺が膨らみ、肝臓などの臓器が肋骨より下に下がるので、より観察しやすくなるからです。また、呼吸していると臓器が動いていて観察が難しくなります。息を止めていただくことで臓器の動きも止まり、より観察しやすくなります。
尿溜めが必要な理由
 尿溜めとは、膀胱に尿を溜めることです。膀胱内を詳しく観察する場合や、子宮や卵巣、前立腺を観察する場合に必要となります。尿が全く溜まっていないと、膀胱は超音波検査での観察が困難になります。また、子宮や卵巣、前立腺は膀胱の後ろに存在しているため、膀胱に尿が溜まっていないと周囲の腸管のガスで描出が困難となってしまいます。超音波は腸管ガスなどの気体は伝わりにくく、尿などの液体は伝わりやすいという特性を持っているため、子宮や卵巣、前立腺の全面に尿の溜まった膀胱があればより観察しやすくなります。

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