診療科のご紹介
部長 梶山 潔
TEL 0948-29-8026(外来直通)
診療科の特徴
当院は医療圏人口約45万人である筑豊地域の基幹病院であり、「地域がん診療連携拠点病院」として、消化管、肝胆膵、乳腺等のがん診療の中心的役割を果たしています。また同時に、救急車搬入年間7000台超と筑豊地域の救命救急医療の要でもあり、24時間体制で腹部救急患者の対応を行っております。
当科では、年間約1100例(急患約200例を含む)の手術を行っており、現在、「消化管」「肝胆膵」「乳腺」と臓器別チーム編成により、各専門医・指導医を中心に専門性の高い診療を行っています。一方では、若手の外科医には横断的に全ての領域を専門医と共に経験してもらい、「General surgeon総合外科医」としての実力をつけてもらっています。また、これらの診療の質を世に問うため、積極的に学会・論文発表を行い、自らの診療の質を常にレベルアップするよう努力しております。
1.診療チームおよびスタッフのご紹介
[1]消化管チーム
長家 尚副院長、甲斐 正徳外科診療部長、山下 智弘診療部長、古賀 聡医長、西田 康二郎医長、大垣 吉平医長を中心に、患者さんに優しい医療に配慮しながら、その根治性を追求しています。食道癌治療では、DCF併用化学放射線療法など最新の治療も行い、非常に良い治療成績を残しています。胃がん・大腸がんは、手術および化学療法により多くの患者さんを治療させていただいています。
胃癌や大腸癌の手術数も増加傾向で、2010年4月に出版されました週刊朝日「手術数でわかるいい病院2010」によると、胃癌では九州で7位、大腸癌では九州で9位の手術数でした。また、内視鏡下手術も積極的に導入し、昨年は消化管手術全体の約28%に達し、今年度は更に増加傾向にあります。(図1)。
[2]肝・胆・膵チーム
私梶山、祇園智信診療部長、播本憲史医長を中心に診療を行っています。
近年、当科における肝胆膵がんの手術数は非常に増加しております。前述の週刊朝日「手術数でわかる いい病院2010」では、全国で34位、九州で4位の手術数を誇ります。膵頭十二指腸切除術もhigh volume center(年間20例以上)となっています。しかしながら、この領域のがん治療成績は全国的にも決して満足すべきものではありません。化学放射線療法を含む集学的治療を積極的に行い、治療成績の向上に努力しております。また、当院肝臓内科、消化器内科や画像診療科とのチームワークも非常に良好で、毎週数回に及ぶ合同カンファレンスにより、診断や治療方針につき1例1例議論しながら診療を進めています(図2)。
[3]乳腺チーム
橋本光孝外科診療部長が、患者さん一人一人に緻密でシステマティックな治療方針を提示され、手術療法、化学療法、放射線療法と集学的治療を積極的に行っております。手術や化学療法など症例は増加傾向です。 (図3)。また、本年6月にはタレントの山田邦子さんを招き講演会を行うなど、患者会の運営や教育にも非常に熱心に取り組んでいます。
2.低侵襲治療センター
2年後に新棟が完成し、同時に「低侵襲治療センター(仮称)」が開設される予定です。当科の役割は、近年目覚ましい進歩を遂げている内視鏡外科を積極的に導入し、虫垂炎、ヘルニア、胆石等の治療に「日帰り手術」を取り入れていく事となります。全国的な流れに乗り遅れることなく、少しでも患者さんに負担の少ない治療を提供していきたいと考えております。ただし、安全が第一ですので無理することなく、実際の患者さんの声を十分聞かせていただき、満足度の高いものにしていきたいと思っております。
3.腹部救急外科
当院の救命救急センターには、年間7000台を超える救急患者さんが搬入されます。と同時に当科では、年間約200例の腹部救急外科手術を行っています。上部消化管穿孔、下部消化管穿孔、汎発性腹膜炎、敗血症、腸閉塞、急性虫垂炎、急性胆嚢胆管炎、腸管虚血症など極めて多彩な疾患の治療を行っています。筑豊地域約45万人の腹部救急外科の中心であることは間違いありません。
4.若手外科医の育成
厚生労働省研修指定病院として大切な役目である後期研修医をはじめ若い医師たちの教育にも、全力で取り組んでおります。特に、現在全国的に外科医不足が深刻な問題になっております。確かに外科は大変な職場ではありますが、同時に外科医でないとできない高度な専門性を有し、その修練は必ずや若い医師達の将来に大きな財産になると確信しています。当科では、症例数が非常に多い特徴を生かし、専門医の指導の下、若手医師にできるだけ多くの症例を経験してもらい、自らの実力のレベルアップに繋げてもらいたいと考えています。また、当院には心臓血管外科や小児外科もあり、協力して「外科専門医」「消化器外科専門医」等の資格を早期に取得できるように研修プログラムを作成しています。
外科News&Topics
- 筑豊地域の消化器がんは、いまだに進行例や合併疾患を伴う症例が多いのが現状です。この中にあって手術の低侵襲化にも積極的に取り組んでいます。胆石症に対する腹腔鏡下手術は言うまでもなく、鼠径ヘルニア・虫垂炎や上部消化管穿孔症例の大半が腹腔鏡下手術です。早期の胃がん・結腸直腸がんも適応を選んで腹腔鏡下手術が盛んに行われるようになってきました。
- 肝胆膵がんもかなり進行した患者さんが多いですが、専門施設でなければできない肝拡大葉切除や3区域切除術などを積極的に行っています。高度に進行した胆道癌や膵癌に対して、ジェムザールやTS-1などを用いた術前術後化学療法あるいは放射線療法を組み合わせて手術を行う集学的治療を行っています。
- 乳癌治療は最新のエビデンス(科学的根拠)に基づき、患者さん一人一人の病態に即したテーラーメードの治療が進んでいます。低侵襲性、整容性にも大きな配慮がなされ、患者数も増加傾向です。
- 手術患者は術後早期(ほとんどが翌日)より専門の理学療法士が病棟で積極的なリハビリテーションを行っています。術後合併症の発生は従来に比べて大幅に減少しています。
スタッフ紹介
長家 尚 |
S59年卒
専門分野大腸肛門外科、一般外科、再建外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・指導医、日本乳癌学会認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医 |
梶山 潔 |
H2年卒
専門分野肝・胆・膵外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医、日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医・暫定教育医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医、ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター(ICD)、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、日本肝胆膵外科学会評議員 |
橋本 光孝 |
S60年卒
専門分野乳腺・内分泌外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医、日本乳癌学会認定医 |
甲斐 正徳 |
H1年卒
専門分野乳線・内分泌外科、一般外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医、日本消化器外科学会認定医、検診マンモグラフィ読影認定医 |
祇園 智信 |
H5(H11)年卒
専門分野肝・胆・膵外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医、日本消化器外科学会認定医・専門医・消化器がん外科治療認定医、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本肝胆膵外科学会評議員 |
山下 智弘 |
H6年卒
専門分野消化器・呼吸器・乳腺・一般外科認定医・専門医・指導医日本外科学会専門医 |
古賀 聡 |
H8年卒
専門分野消化器外科、内視鏡外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医、日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医・暫定教育医 |
西田 康二郎 |
H11年卒
専門分野消化器外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
播本 憲史 |
H11(H17)年卒
専門分野肝・胆・膵外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医、日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本肝胆膵外科学会評議員 |
大垣 吉平 |
H12(H19)年卒
専門分野消化器外科認定医・専門医・指導医日本外科学会認定医・専門医 |
吉田 倫太郎 |
H14年卒
専門分野消化器外科 |
由茅 隆文 |
H16年卒 |
竹中 賢 |
H19年卒
専門分野一般外科、呼吸器外科 |
能美 昌子 |
H20年卒 |
外来担当スケジュール
2009年診療実績
入院患者数:2,224件
| 部位 | 疾患 | 疾患計 | 術式 | 術式数 |
|---|---|---|---|---|
| 頚部・甲状腺:12件 | 甲状腺癌 | 6 | 甲状腺全摘術 | 2 |
| 甲状腺腫 | 3 | 甲状腺亜全摘術 | 1 | |
| バセドウ | 0 | 甲状腺葉切除術 | 6 | |
| 副甲状腺機能亢進症 | 1 | 甲状腺部分切除術 | 0 | |
| 咽喉頭癌 | 1 | 副甲状腺切除 | 1 | |
| その他 | 1 | 咽喉食摘術 | 0 | |
| その他 | 2 | |||
| 乳腺:124件 | 乳癌 | 112 | 胸筋温存乳房切除術 | 32 |
| 両側乳癌 | 9 | 乳房温存手術 | 27 | |
| 乳腺腫瘤 | 1 | 乳房部分切除術 | 23 | |
| 悪性リンパ腫 | 0 | センチネル生検 | 38 | |
| その他 | 2 | 生検 | 2 | |
| その他 | 2 | |||
| 食道:13件 | 食道癌 | 11 | 食道切除・再建術 | 12 |
| その他 | 2 | その他 | 1 | |
| 胃・十二指腸:153件 | 胃癌 | 117 | 胃全摘術 | 45 |
| 胃・十二指腸潰瘍 | 15 | 胃部分切除術 | 56 | |
| GIST | 9 | 噴門側胃切除術 | 3 | |
| その他 | 12 | 局所切除術 | 8 | |
| バイパス術 | 12 | |||
| 大網充填術 | 7 | |||
| その他 | 22 | |||
| 小腸・大腸:324件 | 結腸・直腸癌 | 152 | 腸切除術 | 118 |
| 虫垂炎 | 73 | 前方切除術 | 33 | |
| 腸閉塞 | 32 | マイルズ手術 | 9 | |
| 腸穿孔・腹膜炎等 | 12 | ハルトマン手術 | 9 | |
| 結腸憩室 | 13 | 虫垂切除術 | 77 | |
| その他 | 42 | 人工肛門・腸瘻造設術 | 46 | |
| イレウス解除術 | 22 | |||
| その他 | 10 | |||
| 肛門:19件 | 痔瘻・痔核 | 9 | 痔瘻・痔核根治術 | 10 |
| 直腸脱 | 5 | Gant-三輪法 | 4 | |
| その他 | 5 | 局所切除・切開排膿術 | 3 | |
| その他 | 2 | |||
| 肝臓:93件 | 肝細胞癌 | 68 | 肝切除術 | 81 |
| 転移性肝癌 | 9 | ラジオ波焼灼術 | 2 | |
| 肝内胆管癌 | 5 | その他 | 10 | |
| その他 | 11 | |||
| 胆・膵・脾:185件 | 胆道癌 | 17 | 胆嚢摘出術 | 137 |
| 膵癌 | 8 | 拡大胆嚢摘出術 | 5 | |
| 膵IPMN | 8 | 総胆管切石術 | 2 | |
| 胆嚢腺筋症・ポリープ | 12 | 肝切除術 | 2 | |
| 胆石症・胆嚢炎 | 126 | 膵頭十二指腸切除術 | 22 | |
| 脾機能亢進症 | 3 | 膵体尾部切除術 | 10 | |
| その他 | 11 | 脾摘出術 | 5 | |
| その他 | 2 | |||
| ヘルニア:123件 | 鼠径ヘルニア | 98 | ヘルニア根治術 | 119 |
| 腹壁ヘルニア | 14 | 腸切除術 | 1 | |
| 大腿ヘルニア | 2 | その他 | 3 | |
| 臍ヘルニア | 6 | |||
| その他 | 3 | |||
| 皮膚・皮下組織:1件 | 皮下腫瘤 | 1 | 腫瘤切除術 | 1 |
| その他 | 0 | その他 | 0 | |
| その他:19件 | その他 | 19 | その他 | 19 |
| 部位 | 疾患 | 疾患計 | 術式 | 術式数 |
|---|---|---|---|---|
| 頚部・甲状腺:1件 | 咽頭癌 | 1 | 遊離空腸による 食道再建 |
1 |
| 食道:6件 | 食道癌 | 6 | 食道切除・再建術 | 6 |
| その他 | ||||
| 胃・十二指腸:28件 | 胃癌 | 14 | 胃部分切除術 | 16 |
| GIST | 4 | 局所切除術 | 2 | |
| 胃・十二指腸潰瘍 | 10 | 大網充填術 | 9 | |
| バイパス術 | 0 | |||
| 小腸・大腸:71件 | 結腸・直腸癌 | 7 | 虫垂切除術 | 61 |
| 結腸憩室 | 1 | 腸切除術 | 7 | |
| 虫垂炎 | 60 | 前方切除術 | 2 | |
| 腸穿孔・腹膜炎等 | 1 | 人工肛門・腸瘻造設術 | ||
| その他 | 2 | その他 | 1 | |
| 肝臓:1件 | 肝のう胞 | 1 | 開窓術 | 1 |
| 胆・膵・脾:118件 | 胆嚢・胆道悪性腫瘍 | 1 | 胆嚢摘出術 | 114 |
| 胆嚢腺筋症・ポリープ | 11 | 総胆管切石術 | 1 | |
| 胆石症・胆嚢炎 | 103 | 脾摘出術 | 3 | |
| 脾機能亢進症 | 2 | |||
| ヘルニア:25件 | 鼠径ヘルニア | 25 | ヘルニア根治術 | 25 |
| その他:3件 | その他 | 3 | その他 | 3 |










