動脈硬化症

コレステロール値に注意 動脈硬化症

  • 2019.2.6
循環器内科
診療部長 河野俊一 医師

飯塚病院の医師をはじめとするスタッフが、医療に関する情報や病気の予防法などを分かりやすく解説する西日本新聞の連載「あなたのカルテ」の転載です(西日本新聞筑豊版 毎週水曜日連載中)。



動脈硬化症

西日本新聞 2018年9月12日朝刊掲載

Q. 健康診断の血液検査でLDLコレステロールの数値が基準値より高い状態が2~3年続いています。特に気になる症状がない場合は、このまま様子を見ていればよいでしょうか?

A. LDLコレステロールの数値が高い状態が続くと、動脈硬化症を招く危険性があります。自覚症状がなくても一度、病院を受診することをお勧めします。
 LDLコレステロールは肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ働きがあり、細胞内に吸収されず余剰となったLDLコレステロールは血管の壁に付着し、動脈硬化症の原因となります。動脈硬化はゆっくりと進行し、初期の段階では自覚症状はなく、症状が出るころには病気が進行していることがほとんどです。進行すると血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を突然、引き起こすことがあります。
 LDLコレステロールを減少させるためには、生活習慣の見直しが第一です。コレステロールが多く含まれる肉の脂身や乳製品などを控え、魚や大豆などを積極的に摂取しましょう。また、中強度の有酸素運動を1日30分以上、週3回行うなど適度な運動も効果的です。
 生活習慣の改善で数値に効果が見られない場合は、薬物療法を行います。最近は医療も著しく進歩し、コレステロールの数値を下げる薬も出てきています。ただし、薬には副作用が出る場合や体に合う、合わないなどもあります。自分の体や病気に合った治療法の選択が必要です。
今回の相談では、LDLコレステロールの数値が高いことを心配されていますが、血液検査で分かる「HDLコレステロール」や「中性脂肪(TG)」の数値もあわせて確認していただくと良いと思います。
 LDLコレステロールが全身にコレステロールを運ぶ働きをするのに対し、HDLコレステロールは体内の余剰なコレステロールを肝臓に回収する働きがあります。中性脂肪は血液中に増えると、LDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロールを減少させます。
 受診すべき検査数値の目安として、LDLコレステロールは140ミリグラム/デシリットル以上、HDLコレステロールは40ミリグラム/デシリットル未満、中性脂肪(TG)は150ミリグラム/デシリットル以上とされています=表参照。 受診すべき検査数値の目安
 ただし、リスク因子により目標値は個人で異なりますので、詳細は医療機関にご相談ください。
 コレステロールも中性脂肪も健康によくないイメージを持たれていると思いますが、どちらも体に必要な成分です。ただし過剰な摂取は体に悪影響を及ぼし、さまざまな病気の原因となりますので、定期的に健康診断を受診し、血液検査の結果を注意しておくことが大切です。
 病院を受診いただければ、医師をはじめ看護師や薬剤師、栄養士など、適切な脂質管理のための専門家がたくさんいます。まずはご相談ください。

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