動悸、息切れ、胸の痛み・・・

実は「心臓病」のサインかも!?

心臓病のサイン

  • 2018.12.19

年齢のせいだと思って、放っている症状はありませんか?これらの症状、心臓病のサインかもしれません。今回の特集では、心臓の病気「大動脈弁狭窄症」とその治療法についてご紹介します。

大動脈弁狭窄症とは

 大動脈弁狭窄症とは、心臓と大動脈の間にある逆流防止のための弁が狭くなる病気です(図1)。弁が狭くなる原因は加齢による動脈硬化や弁の変性・石灰化などがあり(図2)、重症になると胸痛、失神、心不全などの症状が出てきます。自覚症状がない場合もあり、症状が現れる時には重症になっていることが多いのも特徴です。65歳になったら、心電図を含めた健康診断や心臓ドックなど、弁膜症も含めた心臓の検査をまずは一度受けていただき、その後も定期的な検査をおすすめします。大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症の治療 身体への負担が少ないTAVIの紹介 

 大動脈弁狭窄症の治療は、軽症の場合は薬物治療を行いますが、根本的解決策として動きが悪くなった弁を取り替える手術を行うこともあります。手術には、開胸手術か、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)という方法があり、患者さんにあった方法を選択します。
 TAVIとは、超高齢の方や肺疾患など心臓以外の病気を合併された方など、これまでは手術が必要でも受けることのできなかった患者さんのための新しい治療法です。足の付け根の大腿動脈からカテーテル(医療用に用いられる、柔らかい細い管)を挿入して弁を留置する「経大腿動脈アプローチ」、血管が細い方や動脈硬化が進んだ方には肋骨の間から心臓に直接カテーテルを入れる「経心尖部アプローチ」、そのほか鎖骨下動脈、上行大動脈から手術を行うこともあります。狭くなった大動脈弁の場所に、カテーテルを使って新しい人工弁を取り付けるため(図3)、多くの場合は開胸せずに手術することができ、心臓を止める必要もないため身体的負担が少なく、治療後の回復が早くなることが大きな特徴です。TAVIの工程

安全・安心にTAVIを可能にするハイブリット手術室

 TAVIは新しい治療法のため、実施できる医療機関がまだまだ限られています。経験豊富な医療スタッフ、そして専門の設備を有した手術室が必要です。2018年9月、飯塚病院には福岡県内で6施設目、筑豊地域では初めてとなる「ハイブリット手術室」が完成しました。ハイブリット手術室とは撮影装置を備えた手術室(図4)のことで、飯塚病院でもTAVIを始めとした外科手術とカテーテル治療それぞれの得意分野を生かした血管内治療が行えるようになりました。飯塚病院のハイブリット手術室

新たなスタート

 30年前、飯塚病院の心臓血管外科と循環器内科とが"Patient First"を目指し、より連携を深めるために「循環器病センター」を立ち上げました。30周年の節目を迎えた今年、より連携を強化し、更なる発展へ向けて新たな一歩を踏み出しています。TAVIを始めとした大動脈弁狭窄症にあたるのは心臓血管外科医、循環器内科医、麻酔科医、看護師、理学療法士、診療放射線技師、臨床工学技士などからなる多職種の「ハートチーム」です。それぞれが持つ専門知識に基づき、患者さんにとって一番よい治療を選択し、手術後の管理や心臓リハビリテーションといった心不全治療にも力をいれています。

大動脈弁狭窄症に関するご相談・お問い合わせ

飯塚病院 心臓血管外科外来 0948-29-8819(直通)平日9:00~17:00
初診の患者さんはかかりつけ医を受診後、紹介状をご持参いただきますようお願いいたします。

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