口臭

  • 2018.08.08
歯科口腔外科
部長 中松耕治 医師

飯塚病院の医師をはじめとするスタッフが、医療に関する情報や病気の予防法などを分かりやすく解説する西日本新聞の連載「あなたのカルテ」の転載です(西日本新聞筑豊版 毎週水曜日連載中)。



口臭

西日本新聞 2018年4月11日朝刊掲載

Q. 口臭が強くなったと家族に言われました。胃腸の調子が悪いのでしょうか。

A. 口臭の原因の8~9割は口の中にあるといわれています。口臭には大きく分けて五つの種類があります。

  1. 生理的口臭
    誰にでもあり、起床直後や緊張時、空腹時などににおいが強くなります。食事をしたり、うがいや歯みがきをしたりすると、においは急速に弱まります。
  2. 飲食物・嗜好(しこう)品による口臭
    酒や香辛料・ニンニクのきいた料理などを摂取したときのにおいです。喫煙者は独特のタバコ臭さがあります。これも時間とともに弱まっていきます。
  3. ストレスによる口臭
    ストレスにより唾液の量が少なくなり口臭が強くなります。
  4. 心理的口臭
    実際に口臭はないのに口臭にこだわり、自分自身で強い臭いがあると思い込んでしまい、対人関係に障害を来すこともあります。口臭はないと説明されても納得できないため、心身医学的な治療が必要になります。
  5. 病的口臭
    口臭の原因となる病気はさまざまありますが、ほとんどは口の中が原因となっており、歯周病や虫歯、舌苔(ぜったい)の増殖、義歯の手入れ不良などが挙げられます。全て口の中の細菌が関わっており、特に中高年に多く見られる歯周病が最大の原因です。


■歯周病
 歯と歯ぐきの境に歯周病菌がねばねばした歯垢(しこう)(デンタルプラーク)という形で付着し、歯ぐきの炎症を起こします。
 歯周病は進行すると歯を支える骨が溶け、歯を失うことになってしまう怖い病気です。歯周病菌は酸素を必要としない嫌気性菌が多いため、メチルメルカプタンなどの野菜の腐ったような悪臭ガスを産生し、口臭を引き起こします。治療は、日々の徹底した口腔(こうこう)清掃に加えて定期的な歯科通院による口の中の管理を受けることが重要です。

■その他の口や鼻咽頭の病気
 歯が原因でない場合も、口内炎、口腔・咽頭がんなどの粘膜疾患、唾液の減少による口腔乾燥症、慢性鼻炎、副鼻腔(びくう)炎、へんとう炎などが原因の口臭もあります。

■全身的な疾患
 胃炎など消化器系の病気や、気管支・肺など呼吸器系の病気が原因となって口臭が発生することがあります。病気によっては、特有の口臭、例えば、糖尿病におけるアセトン臭(リンゴが腐ったような甘酸っぱいにおい)、腎不全や肝硬変でのアンモニア臭などが特徴的です。

原因の8-9割は口の中

 口臭が気になる場合は、歯科を受診し、口の中に原因がなければ内科や他の科を紹介していただくという形で良いと思います。


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