五月病

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  • 2018.05.09
飯塚病院医務室 産業医 土井 康文 医師
飯塚病院医務室 産業医 土井 康文 医師

飯塚病院の医師をはじめとするスタッフが、医療に関する情報や病気の予防法などを分かりやすく解説する西日本新聞の連載「あなたのカルテ」の転載です(西日本新聞筑豊版 毎週水曜日連載中)。



五月病

西日本新聞 2017年4月26日朝刊掲載

Q. 4月に新社会人になったばかりです。最初は元気だったのに、次第に体がだるくなり、やる気も出ません。どうしたらよいでしょうか?

A. 新年度を迎え、新入社員として職場に配属された方、あるいは職場を異動し新たな環境で仕事をされている方も多いと思います。配属直後は、気を張っていても徐々に体調不良となり、職場に行くのがおっくうになる人がいます。このような状況を、一般に「五月病」と言います。この時期に起こりやすい心と体の変化を図にまとめました。

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 人間関係を新たに構築しながら不慣れな仕事を覚えていくことは、新人にとって大変なストレスです。職場でのストレスに加え、親元を離れて一人暮らしを始め、心細い人も多いでしょう。
 楽しみなゴールデンウィークまではなんとか持ちこたえることができるのですが、連休後、心身の不調をきたす人が多いのです。しかし、この時期を乗り越えると職場に知り合いも増え、仕事にも慣れ、新たな環境になじむことができます。

しっかり睡眠、オフを充実


「五月病」を乗り切るための方法をまとめてみました。
  • 【話せる人を作ろう】
     職場の同僚や先輩がよいのですが、話せる人がまだできていない場合は家族や友人でも構いません。職場での出来事を気軽に話せると、心を軽くすることができます。
  • 【睡眠をしっかりと】
     からだの疲れとともに、心(脳)の疲れを取ってくれるのは睡眠です。ストレスを感じたら、いつもより早く就寝するように心掛けましょう。朝起きたら、太陽の光を浴びて1日のリズム作りをしましょう。
  • 【オフタイムを充実させよう】
     帰宅後や休日には趣味など自分の好きなことに集中し、意識的にオンとオフの切り替えをしましょう。休日は仕事のことをくよくよ考えないことです。
  • 【体を動かそう】
     「セロトニン」という脳の中にある神経伝達物質が、元気な脳に欠かせないと言われています。一定のリズム運動をすると脳内の「セロトニン」が増えるとされており、ジョギングやウォーキングの習慣を持ちましょう。
  • 【きちんと食事を】
     3食きちんと食べる。さらにバランスの良い食事をすることが大切です。特に朝食をとることは大切なので、朝は余裕を持って起きるとよいでしょう。肉、魚、大豆類などのタンパク質が豊富な食品には「セロトニン」を作りだす原料となる必須アミノ酸が豊富に含まれます。
  • 【心に余裕を】
     完璧主義の傾向がある人は、自分を追い込まないようにしましょう。不調を感じたときは、やる気が出ない自分を責めたりせず、少しペースを落として、休むときにはしっかりと休むようにしましょう。

 最後に職場の方へのお願いです。
 上司や周囲の人は、新しい環境で働く人に対して積極的に声をかけ、孤立させないような職場の環境づくりをお願いします。悩みの相談を受けた場合、まずは話をよく聞き、その内容について否定したり、指導したりしないことが大切です。

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