知っておきたい膝・股関節の変形性関節症[1]

知っておきたい膝・股関節の変形性関節症[1]

  • 2017.12.13

「変形性関節症」とは?

 関節の軟骨がすり減ることで、関節周りに痛みや違和感が現れる症状全般のことです。
 「最近、階段を下りるときに膝が痛い」「過度な運動をして以来、股関節周りに違和感がある」・・。それらの症状、もしかすると変形性関節症の始まりかも知れません。
 今回は、誰にでも起こりうる膝・股関節の変形性関節症について、原因や症状、当院での治療法などをご紹介します!

高齢者の多くに発症する「変形性膝関節症」

原因と症状

正常な膝関節と変形した膝関節 変形性膝関節症の主な原因は、加齢による関節の軟骨の劣化や、膝への過度なストレスです。関節の軟骨は、老化により弾力を失い傷つきやすくなります。体重の増加やケガなどで膝への負担が増すと、軟骨は次第にすり減り、骨が直接ぶつかり合うようになります(右図参照)。初期症状は、立つときや座るとき、歩き始めの膝の内側の痛みです。症状が進むと、完全に膝が伸ばせなくなり、曲がりも悪くなります。また、膝に水が溜まることもあり、状態によっては安静にしていても痛みが強くなることがあります。

さまざまな治療法

「日本整形外科学会」ホームページ「変形性膝関節症」予防と治療 より転載  初期の段階であれば、「正座を避ける」「洋式トイレを使用する」「肥満気味の方は減量する」など、日常生活を見直すことで痛みの緩和や症状の進行を遅らせることも可能です。
 しかし、症状が進行した場合は、治療が必要となります。治療法には、手術療法だけでなく、太ももの筋肉を鍛える運動療法(右図参照)、痛み止めのお薬を使用する薬物療法、足底板(インソール)や膝装具を用いた装具療法、膝を温める物理療法などがあり、患者さんの膝の状態や生活環境に応じて治療方針を検討します。

当院での主な手術療法

 症状が進行し、日常生活に支障をきたすようになった場合、手術療法が選択されます。今回は、当院で行っている代表的な2つの手術療法をご紹介します。

[1]高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)
「ひざの痛みと治療方法-高位脛骨骨切り術とは-」(オリンパステルモバイオマテリアル株式会社 ホームページより転載)  軟骨の劣化により生じたO脚をX脚に変える手術です。O脚変形の場合、膝の内側に体重がかかるため、内側の軟骨がすり減ってきます。そこで、人工骨を『くさび』のようにすねの内側に入れ、脚の角度を変えることで重心を外側に移し、内側の軟骨を守る方法です。
 この手術の場合、自身の関節を温存して治療するため、回復すると正座もできるようになります。ただし、手術後に痛みが続く場合もあり、機能回復のための入念なリハビリも必要です。

 [2]人工膝関節置換術
人工膝関節置換術の様子 変形した膝関節を人工物の関節へと置き換える手術です。この手術の場合、入院期間が短く、手術翌日から歩行できる方もいらっしゃいます。ただし、人工関節には耐用年数があるため、年齢が若い方や活動量が多い方の場合、人工関節交換のための再手術が必要となることもあります。

飯塚病院だより 2017年8月号より)
次回は、「変形性股関節症」について、患者さん一人ひとりに最適な治療を目指して当院が行っている「オーダーメード治療」を中心にご紹介します!

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