ドクターに聞く!~慢性腎臓病~

  • 2017.09.27

症状と原因は?

慢性腎臓病は、「蛋白尿が出る」、「血液検査で腎臓障害の可能性を疑う」など腎臓の働きが健康な人の5割以下に低下している状態が3ヶ月間以上続いている状態を指します。現在、日本では、成人の約8人に1人(約1,330万人)に当てはまるとされる新たな国民病になりつつある疾患です。
進行具合は5段階(数字が上がるほど腎臓の機能が悪い)に分けられ、3段階を越えると、それ以上の腎臓の機能回復は望めません。腎臓の機能は歳を重ねると次第に低下しますが、特定の病気の存在はさらにその機能低下に拍車をかける原因となります。特に生活習慣病の1つである高血圧と2型糖尿病は腎臓に負担をかけると言われています。
腎臓のはたらきの中に、血液をろ過して体内の不要な老廃物を尿中に排出する機能がありますが、慢性腎臓病が進行してこの機能が果たせなくなると、人工的に老廃物を排出するために透析の治療が必要となってしまいます。

治療法について
~〝正しい食事の摂り方″が治療のテーマ~

腎臓は、多彩なはたらきをしている臓器の一つであるため、広い視点を持ってコントロールすることが重要です。治療の中心となるのは降圧療法(血圧を下げる治療)と生活習慣の改善です。その中でも、特に力を入れているのは食生活の改善で、患者さんを中心に、医師、看護師、管理栄養士といった多職種で協働し、長期間にわたって取り組んでいます。
また、当院ならではの取り組みとして「保存期腎不全教育入院」が挙げられます。これは、透析導入前の患者さんを対象に、ご自身の身体の現状や透析療法についての知識を深めてもらうため、2週間の入院生活を通して実際の透析治療の見学や腎臓病食の体験、自己血圧測定の指導などを行っています。

今回のドクター “飯塚病院 腎臓内科”

腎臓内科 佐々木 彰 先生

当院では、少しでも多くの患者さんの透析導入を減らす・遅らせるため、透析治療の提供だけでなく、慢性腎臓病の患者さんに対しての教育にも積極的に取り組んでいます。
患者さんが『自分で自分の身体の主治医になってもらえるように』当院はこれからもチーム医療で慢性腎臓病の診療に取り組んで参ります。

飯塚病院だより 2017年8月号より)

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