小児外科

部長 中村 晶俊

TEL 0948-29-8026(外来直通)

診療科の特徴

 当科は全国に先駆けて1983年より診療を開始して35年目となり、筑豊地域唯一の小児外科専門施設として地域の小児医療の一端を担っています。
 現在、スタッフ2名体制で、日本小児外科学会専門医制度教育関連施設として、小児外科主要疾患に対する腹腔鏡(補助)下手術や胸腔鏡(補助)下手術などの先進的な小児内視鏡外科手術や、手術創が目立たなくなる臍部切開法や腋窩切開法などのアプローチを工夫した新生児外科手術を積極的に行っています。さらに、小児等在宅医療の対象となる重症心身障がい者に対しても栄養管理から外科治療までの小児外科医療を提供しています。
 対象疾患は、
 小児一般外科疾患:鼠径ヘルニア、精索・陰嚢水腫、臍ヘルニア、停留・遊走精巣、肛門周囲膿瘍
 新生児外科疾患:先天性食道閉鎖・狭窄症、先天性腸閉鎖・狭窄症、壊死性腸炎、消化管穿孔性腹膜炎、
   ヒルシュスプルング病、直腸肛門奇形、腹壁破裂、臍帯ヘルニア、横隔膜ヘルニア
 乳幼児外科疾患:胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、腸重積症、肥厚性幽門狭窄症、胃軸捻転症、
 先天性嚢胞性肺疾患、縦隔良性腫瘍など
 年長児外科疾患:急性虫垂炎、胃食道逆流症、腸回転異常症、潰瘍性大腸炎、痔核など
 良性腫瘍:リンパ管腫、血管腫、奇形腫、精巣・卵巣腫瘍、皮下腫瘍など
 その他疾患:先天性耳瘻孔、副耳、正中頚嚢胞、漏斗胸、尿膜管遺残、包茎など
 小児全般の外科疾患に対して小児に特化したきめ細かい診療を行っています。
 また、上記以外にも神経芽腫、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、肝芽腫などの集学的治療が必要な小児悪性固形腫瘍は、九州地区の小児悪性腫瘍センターである九州大学病院と連携を図り、最新の治療をスムーズかつ迅速に受けていただけるような体制を整えています。
 対象は、新生児から中学生までの外科疾患を有する小児に加え、長期フォローアップが必要な疾患(高位鎖肛、ヒルシュスプルング病、胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、短腸症候群、停留精巣、小児悪性固形腫瘍など)の場合は高校生~成人に至るまで継続して診療を行っています。
 2016年は、新規外来患者数が前年の539人から432人と減少しましたが、入院患者数は194例から200例、手術数は170例から173例と増加しています。今後も内視鏡手術を含めた最新の小児外科医療を充実させ、「筑豊地域のこどもたちの健やかな成長をサポートする小児外科医療」が提供できるよう尽力していく所存です。

小児外科News&Topics

 2017年4月で、小児科外来と小児外科外来がひとつになった小児センターの開設から1年が経過し、ますます充実した小児医療を提供しております。当科の特徴として、安全な周術期管理で在院日数をできる限り短縮することで、患児のQOLとそのご家族のQOLを低下させないように診療を行っている点が挙げられます。

 具体的には、

  1. 近年一般的となった、小児鼡径ヘルニアに対する腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術(LPEC)において、当科では1歳以上の患児に対して日帰りで行っています。九州では当院のみが日帰りでこの手術を行っています。
  2. 小児急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術においても、先の人生が長いこどもたちの整容性を考慮して臍創部のみの単孔式にて行っています。また、術後在院日数(中央値)を単純性虫垂炎が2日、複雑性虫垂炎(穿孔性や腹膜炎を含む)でも5日程度まで短縮すべく、小児に特化したきめ細やかな管理を行っています。
  3. 小児等在宅医療の対象となる重症心身障がい者に対しても、成人期医療への移行がスムーズに行えるように、外科治療や栄養管理などを積極的に行っています。

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スタッフ紹介

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外来担当スケジュール

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2016年診療実績

1)入院・手術症例の年齢・性別内訳
 
入院 手術 (緊急) 入院 手術 (緊急) 入院 手術 (緊急)
新生児 (0-30生日) 2 1 (1) 0 0 (0) 2 1 (1)
乳児   (1-11生月) 22 20 (2) 10 10 (2) 32 30 (4)
幼児   (1-5歳) 51 48 (3) 35 32 (2) 86 80 (5)
学童   (6-12歳) 39 31 (3) 25 20 (8) 64 51 (11)
思春期 (13-15歳)  9 5 (1) 5 5 (3) 14 10 (4)
成人   (16歳-) 2 1 (0) 0 0 (0) 2 1 (0)
125 106 (10) 75 67 (15) 200 173 (25)
2)短期滞在手術症例数

主要疾患手術症例数

3)新生児手術および主な手術
  症 例 疾 患 手 術
1 1生日 男児 先天性十二指腸閉鎖症・腸回転異常症、超低出生体重児 十二指腸閉鎖症根治術、腸回転異常症根治術(臍アプローチ)
2 1生日 男児 胆道閉鎖症(Ⅲ-b-ν) 胆道閉鎖症手術
3 1生日 男児 肥厚性幽門狭窄症 粘膜外幽門筋切開術(臍アプローチ)
4 1生日 男児 肥厚性幽門狭窄症 粘膜外幽門筋切開術(臍アプローチ)
5 2生日 男児 Hirschsprung病
(Short segment type)
腹腔鏡補助下経肛門的結腸pull-through術
6 4生月 女児 低位鎖肛(肛門前庭瘻) 会陰式肛門形成術
7 8生月 男児 摂食機能障害、点頭てんかん、脳性麻痺 腹腔鏡補助下胃瘻造設術
8 9生月 女児 先天性直腸会陰瘻 直腸会陰瘻根治術
9 1歳 男児 摂食機能障害、精神運動発達遅滞 腹腔鏡補助下胃瘻造設術
10 2歳 女児 腹壁破裂術後腹壁瘢痕ヘルニア 腹壁瘢痕形成・臍形成術
11 3歳 男児 胃食道逆流症・摂食機能障害・脳性麻痺 腹腔鏡下噴門形成・胃瘻造設術
12 3歳 女児 甲状舌管嚢胞 甲状舌管嚢胞摘出術(舌骨部分切除)
13 3歳 男児 甲状舌管嚢胞 甲状舌管嚢胞摘出術(舌骨部分切除)
14 4歳 男児 難治性痔瘻 痔瘻根治術
15 5歳 女児 Intestinal Neuronal Dysplasia 内肛門括約筋切除術
16 5歳 男児 腸回転異常症、中腸軸捻転 腹腔鏡補助下腸回転異常症根治術
(臍アプローチ)
17 6歳 女児 摂食機能障害、自閉症 腹腔鏡補助下胃瘻造設術
18 9歳 男児 メッケル憩室 単孔式腹腔鏡補助下Meckel憩室切除術
19 9歳 男児 中間位鎖肛(直腸皮膚瘻) 中間位鎖肛根治術(PSARP)
20 12歳 男児 右側頚瘻 右側頚瘻摘出術
21 12歳 女児 腹壁破裂術後腹壁瘢痕ヘルニア、
腸管癒着症
腹壁瘢痕形成および臍形成術、腸管癒着剥離術
22 13歳 男児 胃食道逆流症、脳性麻痺 腹腔鏡下噴門形成・胃瘻造設術
23 15歳 男児 左精索静脈瘤(左) 腹腔鏡下左内精動静脈結紮術
(Palomo法)
24 19歳 男児 回腸瘻造設状態、腸管癒着症、
全結腸型Hirschsprung病術後
回腸瘻閉鎖術および腸管癒着剥離術